もし、自分の上司や先輩に自分の強みや持ち味を伝えられたら、どんな気持ちがするでしょう?
おそらく、悪い気持ちにはならないと思います。
この人は、自分のことを理解してくれる、しっかり見てくれる人だという印象になるのではないでしょうか。
コーアクティブ・コーチングでは、コーチングの中で、
「相手の価値観(本人が大切にしていること)を聴き取り、それを言葉にして伝える」
ということを行いますが、部下との会話の中でも、モチベーションアップや信頼関係を強める会話として応用できます。
部下の強みや持ち味を伝えるポイントは、以下の3つです。
1. 実際の仕事の良い成果(事実)や強みを伝える
ここでのポイントは、「言葉にして伝える」ということです。
実際に言葉で伝えられることによって、伝えられた側は実感値が高まっていき、さらにモチベーションがあがっていきます。
例: 「橋元君は、最近のアンケートで、受講生からわかりやすいという評価が多くなっているね。いつも事前準備をしっかりやっているから、結果となって出てきているのだろうね」
2. 部下の価値観を伝える
部下の仕事をよく見ていると、部下が何を大事にして仕事をしているかがわかってきます。
自分自身が大事に思っている価値観を言葉にして伝えられるということは、それだけでも嬉しくなりますが、自分のことを見てくれている、知ってくれているという信頼感の醸成にもなります。
例: 「橋元君の研修を見ていると、受講生との‘つながり’をとても大事にしていると感じるよ」
3. 伝える時の意識
伝える時に、心がこもっていない言葉は、どれだけ良い内容の話をしても伝わりません。
「本音で相手の強み・持ち味を伝える」
これがポイントです。
実際のビジネス会話術の研修では、受講生一人一人に、「誇れる仕事」を語ってもらいます。
自分自身が誇れると思う仕事の中には、その人のこだわりや、何を大事に思って仕事をしているのかが入っています。
もし面談などで、部下とじっくり話す機会があったら、今年の「誇れる仕事」を聴いてみてください。
その話を聴きながら、価値観を直接伝えてみてください。
そして、この会話術には、大きな副産物があります。
それは、相手の強み・持ち味を伝えている自分自身への影響です。
部下の強みや持ち味を伝える時に、おそらく自分自身の心が温かくなるのを感じることができます。
そうです。
この会話術は、伝えている自分自身も元気が出てくる会話手法でもあるのです。
部下のモチベーションアップや信頼関係を強めるだけではなく、ぜひ自分自身のためにも使ってみてください。