コーチングスキルという道具の取り扱いについて

話をする二人

伴想人の井上美香(みかちゃん)です。

組織の現場で活かそう、プロコーチになろう、という目的でCo-activeコーチングを学びましたが、組織の文脈やコーチングセッション以外でも、このスキルを使う機会は多いと思います。
今回はそれによる、私のやらかし事例と成功事例を紹介します。


やらかし事例は、長年仲の良かった友人と疎遠になってしまった事です。

新しい学びを始めて、新しい世界に飛び込んでワクワクしていた自分は、ずっと寄り添って生きてきた友人に対して無神経な振る舞いをしていたのかもしれない、と思うと今でも胸が苦しくなります。
ついつい「あなたは本当は何を大事にして生きたいの?」などコーチングセッションのような「拡大質問」を良かれと思って無邪気にしていたり、「もうこれ以上何かにチャレンジする事は諦めている」様に見える友人に対して、どこかで諦めて欲しくない自分がいて、詰め寄るような挑戦スキルを使ってしまっていたり。

自分にとって大切で大好きな友人の方から次第に距離を置かれるようになったとき、とてもショックを受けましたが、ある人に「お友だちは、あなたがドンドンキラキラしていくのを見ているのが辛かったんじゃないかな?」と言われ、いかに自分が自分の立場からしか世界を見ていなかったかに気づかされ、愕然としました。
そして、何度かメッセージを交換して、「嫌われたわけではない」という事を確かめることができ、今は少し距離を置く事を受け入れることができました。
それでも時々、時計を戻せたら、あの時どう関われば良かったのだろう、と悶々とする自分がいます。


成功事例としては、親との関係性を改善できた事です。

両親とは決して関係性は悪くなかったのですが、2年前くらいまでは、とても元気だったので、依存関係は希薄でした。むしろ私の方が退職や闘病でぐらついていたので、精神的に支えてもらっていました。
しかしながら、股関節手術後の転倒による骨折をきっかけに母が車椅子生活になり、その後父が倒れ旅立つという体験の中で、親を「弱い存在」として見て、「私がしっかりして守らなければ」というスタンスでいた頃は、疲弊感や虚しさがあり、辛いことに耐える感覚があり、空回りしていた気がします。

ある時、「なぜコーチングのクライアントに接するように親に関われないのだろう?」と気づいてから、親に「私にどんな介護をして欲しい?」「今後何を大事にして生きていきたい?」と聞けるまではかなり葛藤がありましたが、これを聞けた瞬間は大きな達成感がありました。
その時の親の態度や表情には、今までとは違う空気感が漂っていたのをよく覚えています。

そして、「自分でできる事は自分でやりたい。(介護のせいで)みかちゃんが身体を壊すような結果にはなって欲しくない」というきっぱりとした言葉を聞けた時、自分がいかに親を小さく見ていたか思い知り、「自分の身体や人生を犠牲にしないことを大前提に介護をする」決意が固まりました。

「今この瞬間からつくる」「NCRW: 人はもともと創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である」など、コーチングで学んだことを介護の現場でも活用して、そこから少しずつ状況が好転していきました。


コーチングスキルは人生のあらゆる場面で使えるものですが、スキル=道具は手に入れても、やたらと振りかざすだけではダメで、どういう時に、どう使うかが大事なんだなあ、と痛感しています。

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