ウエイクアップ組織変容®コーチの
木村史子です。
「今、この部屋で、皆さんが
気付いているのに触れようとしない
ことはなんですか?」*1
ドキッとする、でも、カオスを超えて、
本質へ向かうチームをサポートする
ことができる、大好きな問いです。
先日、あるプロフェッショナルチームの
対話の中で、この問いに向き合う場面がありました。
参加者の皆さんに許可をいただいて、
どんなカオスとそれを超えていく場面が
あったのか、起きたことをシェアします。
「今、この部屋で、皆さんが気付いている
のに触れようとしないことはなんですか?」*1
という問いで、ポツポツと
普段話されないことが話されました。
その場に出てきた声は・・・
「チームの一員であるという意識はある
けれど、みんなのコミットメントや
関わり度合いが異なる。その違いや、
やりたい度、やってみたい度が表現されていない。」
「組織の中でのチームの役割や他部署との
関わりについての意見がひとそれぞれ。
でも、みんな『自分が正しい』と思っている。」
「チームの『恐れ』が話されていない。」
「プロジェクトが成立せず、タダ働きに
なるのではないかという恐れ。」
「プロジェクトに関われていないのに、
自分がいることでコストがかかることへの
遠慮がある。」
「プロジェクトに
『手を上げている/上げていない』
『ミーティングにでられる/でられない』
どちらにも遠慮が生じている。」
「みんなに遠慮があるけれど、何に遠慮
しているのかが話されていないのだね。」
「フィーや仕事内容によって、個人の
優先順位が違う。他の人は受ける案件を
自分は受けないことへの申し訳なさや
罪悪感がある。」
「フィーに対して『それは安い』って
誰も言わない。」
「それぞれ個人ではどの程度のフィーが
適正だと感じているかをお互いにしらない。」
「プロジェクトに関わっていないと発言
しづらく、『二軍に落ちた』感覚になる。」
などなど。プロフェッショナルであり、
フリーランスの集まりだったからこその
葛藤が話されました。
いきなりこの問いで話し始めるのは
とてもハードルが高いので、
冒頭には
「今、この瞬間のチームの状況を
天気で表現してください」*2
という問いで、チームの現状を全員で認識し、
終盤には
「どう心に響きましたか」*3
という問いで振り返りを行いました。
1時間強、少しひりひりする
カオスを感じる時間でしたが、
カオスを超えることで、本質が話され、
無自覚に起きていたことが言葉になる
ことで、全員の中にある「恐れ」や
「遠慮」が意識されるようになり、
それを扱えるようになりました。
カオスを超えて本質に向き合う時間は、
チームに進化をもたらすのです。
(*1〜3 引用:
人と組織の進化を加速させる「システム・
インスパイアード・リーダーシップ」
フランク・ウイト・デ・ウエルド
マリタ・フリッジョン共著
CRR Global Japan 翻訳 森川有理 監訳
P236 場の感情を読み・取り扱う40の方法)