「バカ」とリーダーシップ③

CTIリーダーシップ・プログラム
ファカルティのヒデキ/直井英樹です。

これは、バカがスーパーチームを作って
結果をだした話です。

2003年12月クリスマス間近の雪の日、
ニューヨーク市街地へ向かうバスの中。

社長:ヒデキ、今日の卒業パーティーは
マンハッタンクルージングだよね。
この吹雪じゃ肝心の夜景駄目ね。
変更できる?

副社長:そうね。バックアップ案は
当然あるよね?

私:(そんな案はない。この1週間、
日本の顧客幹部40名を本社に招き、連日
イベントを進行してもうへとへと…)
マーク、代案はない。クリスマス前の
マンハッタンだよ。4時間後に始める
40名のパーティの場所、食事とAV機材を
今からアレンジなんて無理!
クルーザーでも卒業パーティーはできるよ。

社長:んー、トライしてから決めたいなぁ。

副社長:そうだよ、レストランなんて
ニューヨークにいっぱいあるよ、はは!

私の中で、ほならやったるわいと、
「バカ」が目覚めた。
でも手がかりゼロ。
即、クルーザー会場設営中のチーム
メンバーに「予定変更。助けてほしい。
日本のエグゼクティブ40人に相応しい
レストラン見つけて話つけてくれ、
うまくいったらクルーザーはキャンセル」
とお願い。

彼女は3秒あきれた後、ベスト尽くすと。

祈ること1時間。
バスがマンハッタンに差し掛かると着信。

「ヒデキ、皆で探して良い所を貸切った!
宿泊先から、ロックフェラーセンターの
クリスマスツリー見ながら徒歩5分の
高級イタリアン!」 と。

そして、無事パーティー開始。ムード、
料理、フォトスライドショウも完璧。
準備含め3か月疾走して、
今日奇跡をおこした4人の
スーパーチームに乾杯!
メンバーと苦労話で盛り上がる。

そこに副社長…

副社長:ところで、ナオイさん、
明日のお客さんの帰国フライト、
雪でも飛ぶのかちゃんとモニターしてる?
飲んでる場合じゃないよ。

私:よく聞いてください。
彼女らは今日奇跡をおこしました。
フライト関連は後でやります。今は
私のチームを労う大切な時間なんです。
お願いだからそうさせてください!

戻るとチームの一人が
「日本語は知らぬが、
あんたが副社長に言ったことはわかる。
私たちとの時間を大切にしたいから
今は放っておいて、だろ?
ありがとう、ヒデキ。
あんたと仕事できてハッピーだ」と。

私、半泣き。

後日談…
このプログラムは大成功し、
会社が分割される数年前まで
15年以上続いた。

バカは、やりきるチームを作り、
チームに躊躇なく助けを求め、
結果を出し、祝います。
これもバカのリーダーシップです。

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