自分たちの組織は、どのような環境・状況の影響を受けているのか

もう9月、秋ですね。

こんにちは、ウエイクアップの
組織変容コーチの番野智行です。

長年、東京都心で暮らしていた頃は、
季節感をあまり感じることはありませんでした。

まだ8月だと思っていたら、
ハロウィンが!イルミネーションが!
ということも。

「私は、感性の鈍い人間なのかなぁ」
とも感じていました。

しかし、2年前に湘南ののどかな地域に
引越しをしてから、四季の移ろいを
身近に感じるようになりました。

今の仕事部屋は、春には
リモート会議中に鳥のさえずりが聞こえ、
最近まではセミの鳴き声が響いていました。
(zoomのノイズキャンセル機能に
本当に助けられています!)

最近は、窓の外が暗くなる時間が早くなっているとともに
秋の訪れを感じています。

私の感性が鈍いのではなく、
周囲の環境の影響だったのですね…

※私を知っている方は
「いや、鈍いと思うよ」と思うかもしれません。
その時は、周囲の環境の影響で
感性を育む機会がなかったとご理解ください。

そして、こうした「周囲の環境」や
「置かれている状況」による影響は
組織でもよく見られます。
例えば以下のような要素です。

  • クライアントが誰か
  • 組織の中で何を期待されているか
  • 業界でどのような状況にあるか

私が出会った事例の中で印象に残っているものを
少しご紹介したいと思います。
(少し事例に改編を加えています)

■クライアントの違いが影響を与えた事例

ある企業で、商材は同じでも、
チームの担当クライアントが「企業」か「行政」かで
価値観や文化が違うという事例がありました。

いずれのチームも求められる成果に向けて
一生懸命取り組んでいます。

企業クライアント中心(BtoB)のチームは、
絶えず、顧客の期待に応え、
それを上回る価値の実現を目指しています。
競合にも勝たねばなりません。

これは良いことでもありますが、
成果や成長へのプレッシャーが強くなっていました。
結果、堅実さが持ち味の人が
「主体性や成長意欲がない」との
評価を受けているのも目にしました。

対照的に、行政クライアント中心(BtoG)のチームは、
手続きの順守やミスのないことが重視されていました。

このチームでは、よりよい対案を提案する人が、
「和を乱す人」として孤立する場面も見られました。

■集合時間の集まりまでもが違う

会議や研修への集合時間に対する
態度までもが違うのが、驚いたことでした。

前者(BtoB)のチームは、クライアント対応での
遅刻や途中離席が時折見られました。
そして、そのことに対して
お互い寛容な雰囲気がありました。

対話や観察を続けてみて、こうした態度の背景には
「外部へのタイムリーな対応を、
内部の会議や研修よりも優先する」
という暗黙の価値観があるのだと気づきました。

「それって個人の性格じゃないの?」
「個人の自己管理ができていないだけでは?」

しかし、メンバーそれぞれと話をしてみると、
実は非常に真面目で責任感のある人ばかりなんですよね。

一方で、後者(BtoG)のチームは、
どれだけ忙しい人であっても、
時間通りに全員集合しているという光景が見られます。

20人近い参加者の研修で、私が5分前に会場に入ったら、
既に全員揃っているということも珍しくありません。

(どちらがいい悪いの話を
したいのではありません。念のため)

■環境・状況がもたらす違いを理解する

いかがでしょうか。
この2つのチームに対して
必要な関わりがそれぞれ異なることは
ご想像頂けるのではないかと思います。

組織に関わるにあたっては、
個人の特性だけでなく、こうした
「周囲の環境」や「置かれている状況」の
影響も含めて見立てることが必要です。

まだまだ多くの事例があり、機会があれば
ご紹介できればと思いますが、
他に最近違いを感じたケースは

  • (同じ業種でも)日系企業か外資系企業か
  • (同じ会社でも)研究開発部門か品質管理部門か
  • (同じNPOでも)教育か福祉か
  • (同じITでも)BtoCかBtoBか

などがあります。

「自分たちの組織は、どのような
環境・状況の影響を受けているのか」
「それが自分たちの組織の
パフォーマンスにどう影響しているか」
「その影響/思い込みを自覚し、意識的に
選択できるとしたら、どんな可能性が拓けるか」
という視点で、チームの皆さんで一度
対話してもらうのも面白いと思います。

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