「バカ」とリーダーシップ

こんにちは。
CTIリーダーシップ・プログラム ファカルティの
直井英樹(ヒデキ)です。

私の友人のリーダーシップの話です。

彼と私は、ある芝居で共演しました。
稽古中、彼は見せ場の長台詞のパートがうまくいかず苦労していました。
演出家から何度もダメ出しされ、共演者も居心地悪くなるほどでした。
それでも、何とか恰好はついた状態で、本番前日の最終通し稽古を迎えました。

彼は酔っ払いの貧乏役人で、
「神は必ずや我が身を売った娘を救い給うのだ!」と、大声で主張します。
私は舞台袖から見ていたのですが、彼が舞台にでた瞬間、
あれ? あいつ昨日までの存在感と全く違うぞ、
と感じました。そして見せ場の長台詞、見事でした。

彼は舞台も客席も袖も、建物全体空間を揺り動かしているようでした。
貧乏役人の異常なエネルギーに引き寄せられ、私は自然と涙がでていました。

彼の芝居はいわゆる「上手な演技」ではなかったのかもしれません。ではなぜ私は感動したのか?
例えると、目の前の壁の向こうをどうしても見たくて、壁をよじ登りそこで絶景を見てうち震えている、その姿に惹かれたのだと思います。

これは、私が「バカ」と呼んでいる行動です。
人はときどき自分のやりたいこと創りたい世界に向かって、うまくいかないかもしれないけど、震えながら進みます。
その人のエッセンスが放たれ、思いがけず周囲が巻き込まれていきます。
「バカ」は伝染するのです。

貧乏役人を演じた友人の「バカ」に私は感染しました。
私が感染した瞬間、彼のリーダーシップが生まれました。
だれもが持っている「バカ」こそがリーダーシップの起点だと思うのです。

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