「群盲象をなでる」~私は全体のほんの一部分しか知らない

ウエイクアップ組織変容コーチ川添香です。

先日、母が89歳の大往生を遂げました。
まだまだ長生きして、桜の季節とともに
4月の90歳の誕生日を迎えてほしかったな
と娘としては思うところです。
ちょっぴり残念な気持ちも抱えながら
このメルマガを書いています。

コロナ禍の葬儀とはいえ、地方ということもあり
たくさんの方に見送っていただきました。
普段なら帰省してもめったに会わないご近所さんや、
何十年ぶりの従姉妹たちにも会い、
母の思い出話に花が咲きます。

杖をついて弔問に来てくれた95歳のおばあさんからは、
若いころのこの地域の話、母方の年上の従姉妹たちからは
嫁ぐ前の母のエピソードなどなど。
例えば、戦時中出征していた母の兄に兄嫁を会わせるために
10代の母とその姉が野菜を売って旅費をねん出した話、
例えば実家の地域ではきつい姑さんが多くて
若い嫁はみんな苦労した話。

断片的に知っている話もあれば、初めて聞く話もあり、
私が持っていた母に対するイメージが少し変わりました。
長いこと母娘をしてきましたが、まだまだ
母全体を理解するには足りなかったようです。

心残りといえば、母の深いところに触れる会話が
最後の10年間ほとんどできなかったことです。
認知が進んでいく母に深い話を聞き出そうとしても
ほとんどが「忘れたなあ」で終わってしまうのです。
母という人を丸ごと知るには時すでに遅しでした。

関係性についても同様のことが言えます。
組織やチームを対象としたコーチングの中で
システム(関係性)について「群盲象をなでる」という
故事を使って説明することがあります。

目の見えない人たちが象を触って、触った部分について、
象とは団扇(耳)だ、象とは木の幹(足)だ、
いやいや縄(尾)のようだ、管(鼻)のようだ
と評しているさまです。
部分部分は正しく理解しても、全体となると
一部分しか理解していないという意味です。

自分は一部分しか知らないのだと自覚しなければ、
全体を理解しようとすることができません。
「誰もが正しい。ただし、全体からすると一部だけ正しい(※)」
組織変容の長い旅はここから始まります。

ウエイクアップの組織変容はお問い合わせの段階から
この意識を持ち、常に全体を知ろうという意識から入ります。

お聞きしたことから組織に何が起こっているのか
仮の見立てを立て、常にブラッシュアップを図ります。
コーチが知ろうとする態度を持つことで
チーム全体にそれが行き渡り、
システムも自分たちを知ろうとし始め、
それから変容が始まります。

組織変容は組織を構成しているシステムが
自分たちの関係性に自覚を持つことから始まる
といっても過言ではありません。

ウエイクアップの組織変容コーチはコーアクティブ®をベースに
しっかりとご担当者様の悩みを傾聴しご提案しています。
組織の悩みを解決したいと思われたら、ぜひご相談ください。

※「誰もが正しい。ただし、全体からすると一部だけ正しい」は
システムコーチング®で用いる用語です。

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