2016年 5月 の投稿一覧

リーダーの中のいろいろな自分

ある日ふと、

「なんだか最近、自分らしくないな。。。」

と思ったことはありませんか?
もしくは、鏡を見て

「随分と疲れた顔だな、、、自分はもともとこんな顔だったっけ?

と映った顔をまじまじと眺めたことはないでしょうか?

組織の中でリーダーや管理職など特定の役職に就くようになると、「役割」が先行して行動や意思決定をしていくことがよくあります。

まるで「役割」と自分が一体化してしまったかのように、本来「自分らしい」と思っている様々な要素は鳴りを潜めてしまうのです。

けれど、実際には私たちは「いろいろな自分」を内に秘めています。

優しい自分、強い自分、大らかな自分、気弱な自分、ひょうきんな自分、ちょっと意地悪な自分、、、など、読者の皆様にもちょっと頬を赤らめるような「いろいろなご自分」が思い当たることでしょう。

システム・コーチング(*)では、この「いろいろな自分」を「秘密の自己」と呼んでおり、多様な自己の集合体である全体性(whole)を本来の「自分」としています。
(* システム・コーチングは登録商標です)

あなたという個人も多様な側面によって構成されている「システム」なのです。

役割は、そんな自分の側面を引き出してくれることもあります。

新しい役職に就いたとき、新しい職場に異動になった時、新しいメンバーとチームを組んだ時、もしくは初めて「お父さん・お母さん」になった時、それまでとは違った自分の側面に出会った、という経験をされた方は多くいるのではないでしょうか。

またその逆に、一つの「役割」が長く続くと、自分の一部の要素だけが日常化し、本来持っていた豊かで多様な側面が出番を失い、倦怠感や停滞感、または成長実感が持てないといった状態にもなります。

社会人になって間もない頃や役職や職場などの環境が次々にかわった時代と違い、一般的に40代50代になるとこの傾向は強まりがちです。

さて、ここまでの話に頷いている読者の皆さん、ここでもう一度、あなたという人は今担っている役割よりもずっと大きく豊かで多様な存在だ、ということを思い出して下さい。

そして、多様な自分の要素をあなたの「役割」にもっと持ちこんでみませんか。

もし普段「強くて責任感のある自分」で役割をこなしているのであれば、「ひょうきんな自分」をスパイスに加えてみるのもいいかもしれません。

どんな自己を持ち込んでリーダーの役割を満たすのか、普段とは違ったスーツを身につけるようにリーダーシップの幅を広げてみてはいかがでしょうか?

それはきっと職場に普段と違う雰囲気をもたらし、質の違う対話がメンバーの中に生まれてくる可能性を秘めています

チームや組織に感じていた閉塞感を変えていく鍵は、リーダーであるみなさんの内側にあるかもしれません。

明日の朝、普段は会社には連れて行っていない、どんな自分と一緒に出社してみたいですか?

次回、この「秘密の自己」のさらなる応用編についてご紹介します。

それでは、今日も良い1日を!

 

 

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生きている会議の創り方、進め方」 第6号 ~ 次の行動を確認する ~

これまでもお伝えしてきましたが、

全ての会議には目的があります。

そしてその成果は、会議に参加した人たちの具体的な行動として現れてくることになります。

その観点から、生きている会議を創る上でもう1つ大切なことは、

会議そのものが参加者の次の行動に連動していることです。

その会議で決定・合意・共有されたことが、参加者それぞれの次の行動に反映される流れを創る必要があります

そのため、会議の終盤においては、出席者に対する以下のような問いかけが重要です。

「今日の会議を踏まえ、あなたの次の行動は何ですか?」

ここで、その会議が一定の役職者以上で構成されていて、その内容を部下に共有する、という次の行動が想定される場合は、

「どのように今日の会議の内容を伝えますか?」

と、問いかけてもいいでしょう。

その会議を経て、参加した人たちが今どんな認識で、次にどんな行動をとろうとしているのか?、ということに好奇心を持って問いかけてみるのです。

こうした問いかけに対し、リーダーとしてのあなたの思惑どおりの答えが返ってくることもあれば、そうでないこともあるでしょう。

実際、同席させていただいた会議でこうした問いかけをさせていただくと、同じ時間を共有しているはずなのに、参加者それぞれが受け取っている内容が実にさまざまであることがわかります。

ですので、こうした問いかけに対する回答の内容に対して一喜一憂することはありません。

まずはいったん、相手の今の状態を受けとめましょう。
その上で、さらなる対話が必要であることがはっきりしたのであれば、そのための次の機会を持てばいいのです。

一方で、これはその会議の品質に対するフィードバックでもあります。

そもそも人は誰かの思い通りには動きませんが、人と人が共通の目的に向かって協働する際の重要なプロセスが会議という媒体です。

効果的に参加者相互の意思の疎通を図ること。
このことは、全ての会議に期待されることでしょう。

もし、会議の終盤に至って参加者相互の意思の疎通がうまくいっていないのであれば、どこかに改善の余地があると思われます。

前号まででお伝えしてきた一連のプロセス、つまり、

「目的の明確化と共有」

「会議の雰囲気を意図的に創る」

「全員が発言する」

「システムの声を聴く」

「率直に本音を伝える」

のそれぞれについて、もう一度見直してみてください。

あなたの会議がさらに進化するタイミングが、まさに今、到来しているのかもしれません。
 

 

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