2016年 3月 の投稿一覧

可能性を信じてくれる上司のもとで、部下は大きくなる

みなさんは、こんな経験がありませんか?

目の前の相手が、自分に好意をもってくれている、できる人だと見てくれる、と思うと、とてものびのびして、自信をもってえる。

逆に、相手の「できないやつだな、使えないな~」という視線を感じ取ってしまうと、なんだかぎこちなくなって、いつもはできていることでも、うまくできなくなってしまう。

「別に、相手がどう思おうと、私は私だよ」と思えれば理想ですが、どうやら多くの人は、つい「相手の期待」に応えるようなふるまいをしてしまうようなのです。(そんなネガティブな「期待」に応えなくてもいいのに!)

それが、職場の上司・部下の間のこととなると、問題はかなり深刻になります。

企業の方と、部下との接し方の話になった、

「そうはいっても、できないやつっていますよね」

「できる人、できない人を冷静に評価するのが上司の役目ですから」

と言われることがあります。

もちろん、「パフォーマンスを冷静に評価する」のは、大切です。

ただ、あなたが部下なら、

「今はここまでだけど、本当は、もっとできるぞ」

と信じて関わってくれる上司と、

「お前は、ここまでしかできないやつ」

と見る上司と、どちらの職場で働きたいでしょうか?

そして、それぞれの上司のもとで、あなたの働き方はどう違ってくるでしょう?

昔、私の上司だった人は、しい人でしたが、いつも私を「できる人」として見てくれていました。

私自身が「そんなの無理だよ!」と思うような仕事も、「当然できるよね、そのくらい」という態度を一度もくずしませんでした。(本心は不安だったかもしれませんが、それを私の前では出しませんでした)

そのおかげで、私は新しいことに挑戦することもできましたし、失敗して落ち込むことはあっても、心のどこかでは「それでも、私はできる」と思い続けることができました。

コーチングの基本に、

「クライアントの可能性を信じる」

ということがあります。

コーチは、クライアント自身も気づいていない、その可能性の大きさを信じて関わります。

それによって、クライアントは初めて自分の大きさに気づき、「こんなことまで、自分はできるんだ、してもいいんだ!」と思えるようになります。

上司が、コーチと同じように、部下自身も気づいていない、部下の大きさを信じて接したら、どんなことが起きると思いますか?

そんな上司のもと、のびのび成長していく部下たちがいっぱいいる職場って、どんなにワクワクすることでしょう。

しかも、それには、何のコストもかからないのです!

上司のあなたが、「こいつは、できるやつなんだ」と信じるだけでいいのですから。

 

 

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コーアクティブ・ビジネス会話術 「会話の中で、自然にコーチングを使う方法」

コーチングを学んでいる人から、「ビジネスの現場で自然にコーチングをするにはどうしたらいいでしょうか?」という質問をよく受けます。
私は、

「コーチングは自然な会話ではありません。コーチと
クライアントのお互いが協働関係を創って行う会話
なので、通常の会話とコーチングは違います」

と答えています。

通常の会話ではなく特殊な会話なので、コーチングに精通したプロのコーチという職業があり、コーチングをすることによって報酬を得ることが可能なのです。

ただし、こういった前提がありつつ、通常のビジネスの会話でコーチングをしたいというニーズも少なくはありません。

そこで今回は、コーチとクライアントでコーチングをするという正式な場以外で、コーアクティブ・コーチングを実際に行うコツをお伝えします。

まず、コーチングが実際に機能しやすい場をあげると、面談の場です。
1年あるいは半年に1回の目標面談では、上司と部下という立場で行うケースが多いと思いますが、こういった場面では通常の会話よりも、よりコーチングが機能する場が暗黙の合意の中で出来上がっているケースがほとんどですので、積極的にコーチングスキルを使うと良いのではないかと思います。

そして、面談ではなく、通常のビジネスの会話でコーチングを使う場合は、ぜひ「許可取りのスキル」を使ってください。

ここで重要なのは、相手の許可を得ながら話を進めるということです。

例えば、何か相談をされた時に、

「そういった相談は、コーチングをさせてもらうとより良い
答えが見つかると思うので、よかったらコーチングを
させてもらえないかな?」

など、一言相手に許可を得ることによって、相手の心の準備が変わってきます。

また、コーチングを学びたてでよく失敗する例として(私は多く経験しました)、通常に会話をしている最中に、拡大質問や要望などのコーチングのスキルをいきなり使用して唐突感を与えてしまい、相手に不快な思いを経験させてしまうことです。

コーチングで傾聴を学び、人の話を傾聴すると、深い会話になる時がよくあります。
そういった深い会話になると、コーチングを学んでいる人は、善意でコーチングのスキルを使用したくなります。

そんな時こそ、許可取りです。

【例】
「よかったら少し質問させてもらってもいいかな?
○○さんの役にたつかもしれないから」
「今、コーチとして関わらせてもらったら話しやすいと
思うけど、どうかな?」

など、許可取りをしてからコーチングのスキルを使うということを試してみてください。

コーチングを通常の会話で使う場合、大事なポイントは「相手との関係」です。
相手がしっかりとコーチングを受ける状態でいないとコーチングは本来の力を発揮しないので、ぜひそのことを意識してみてください。

 

 

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「人を観る力」

自分にそっくりの人が世界に3人いる、という話を聞いたことがあります。

皆さんは、自分のそっくりさんに会ったことや見かけたことはありますか?
私は、社会に出てしばらく経った未だ20代の頃、たまたま仕事で乗った電車内の広告写真に自分のそっくりさんを見つけて、目が釘付けになったことを覚えています。

どこかの居酒屋チェーンの広告で、スーツ姿のサラリーマンが戦国武将の兜を被って、お刺身の大きな舟盛りを前に満面の笑顔のアップ、という写真でした。
その瞬間のことを思い出すと、宴会幹事としてしか組織に貢献できなかった当時の自分と重なって、今でも笑みがこぼれます(笑)。

現代では有名人のそっくりさんはタレントとして活躍されていますが、歴史的には影武者として重宝されたようです。
影武者と一口に言っても、その役割を全うすることは容易ではなかったと想像できます。

どこまで本物になり切れるか、本物という役割を演じ切れるか、継続的な高いコミットメントが不可欠です。
また、単に本物の一挙手一投足を真似るだけでなく、本物の内面を洞察し、本物だったらこの瞬間に何を考え何を感じるのか、その内面から、まるで本物のように振舞う必要があります。

そこには、とことん「人を観る力」が求められたはずです。

現代社会においては、私たちが誰かの影武者になる必要はありません。
しかし、本当の自分をより高いレベルで体現する余地は、誰にも残されています。

試しに、今のあなたにそっくりな本当のあなたを客体化して、外側から本当の自分を観察してみると、一体何が観えるでしょうか。
今のあなたと、本当のあなたとの微妙な違いは、一体何なのでしょうか。

もし、その微妙な違いに気づけたのなら、本当の自分に一歩近づいて、本当の自分として振舞ってみましょう。
あなたが身を置く世界が違って観えてくるかもしれません。

私の場合、先ほどの若武者宴会幹事のイメージが強すぎて、微妙な違いがセンスできないままでいます(笑)。
でもこれも何かのサインですから、まずはあのポスターのように、思いっきりの笑顔で宴会を楽しむ自分を取り戻してみようかと考え始めています。

今回も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

 

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