伴想人の成瀬健志(ケンジ)です。
11月の前半に、福島の被災地を訪れるラーニングジャーニーに参加するご縁をいただきました。現地に数日滞在することで、復興に関わる方々との対話を通して多くを受け取りました。復興のご苦労や痛みに思いを馳せると複雑な気持ちになりますが、大切なお話を聞かせていただいたことに感謝をしながら、振り返りを書いてみます。
震災と原発事故から13年。周辺の大熊町では今もなお帰宅困難地域が残ります。
語り部の先導でお話を聞きながら、帰宅困難地域内を訪問しました。ご家族と自宅を失う痛み、それを忘れないかのように、被災した建物が時間を止めたように残っています。津波に流された自宅や田畑のあとには雑草が覆い茂り、荒涼とした光景が広がっていました。海岸に目を向けると、先月に完成したばかりの真っ白な防潮堤と青い海が広がり波が打ち寄せます。人間が築いてきた場所なのに人間の気配が全くない。沈黙する自然から人間の矛盾を問われているような気がしました。