本道も脇道も

ウエイクアップ・伴想人®のおはる(尾関春子)です。

歩くことと旅が好きで、数年前から四国八十八札所を訪ねる「遍路旅」を続けています。
このブログのマメな読者は、またその話? まだ終わっていないのかい! と呆れておいででしょう。昨年までに徳島県と高知県の計三十九の寺(札所)を巡り、約1,200㎞の全行程の半分を過ぎたところです。

「行程」といっても、札所から札所への「遍路みち」は、整備された一本の遊歩道がずっと続いている訳ではありません。車両が多く通る一般道が大部分で、ところどころ農道や林道、集落を通る旧道、昔からお遍路さんが歩いた山道や海岸線に沿って砂浜を進む古道もあります。札所をまわる順序やルート、手段に決まりはありません。

同じ区間に一般道のほかに旧道や古道がある場合、私はアスファルトの照り返しや車の騒音、トンネル等を避け旧道や古道を選ぶようにしていますが、高知県南西部を足摺岬に向けて歩いた昨秋、あることに気付きました。
古道を行くと殆どひとに会わないのです。私は決して速足ではないのに後ろからひとが来る気配が無く、向こうから誰も来ず、峠でひと休みしていても猪の家族が斜面を降りていくのを目撃した以外に何も通りません。

道を間違えたかと(よく間違えるので)スマホで現在地を確かめると問題は無さそう。宿や札所にいたお遍路さんたち、ドライブ派には見えなかったけれどどこへ消えたのか? 古道から一般道に出ると忽然と目の前に現れた元気いっぱいの外国人へんろウォーカーたちは、ずっと車道を歩いてきたのか?

集めた情報によると、最近は豪雨による土砂崩れや倒木で山道が荒れることが増え、遠回りで車通りが多くても無難で確実な一般道を選んで歩くお遍路さんが、増えているようです。岩を踏み越え倒木の下をくぐり手の泥をはらいながら、こんな難路を選んだ自分は変わり者かもしれないと思う瞬間はたしかにあります。

定番、主流、本流、王道、正道、正攻法、そんな言葉とそれらの反対語が思い浮かびます。かつては本道であった(それしかなかった)山道が、時を経て車道が整備されると旧道古道と呼ばれ脇道と位置づけられる。
時代とともに主流は遷ろっても、あえて傍流を選ぶひともいる。本道を突き進むのもよいが脇道の先に開ける眺望がある。選んだ道が自分の本道。
途中で間違ったと思ったら、ひと休みし息を整えてから元の道に戻るもよし。

伴想人は五年前から、エグゼクティブ・メンタリングとリーダーシップを多角的に考えるワークショップとで構成するプログラムを通じ、日本企業を主な舞台として経営の中枢での活躍を期待される女性管理職の育成を支援しています。

伴想人が掲げる理念のひとつが、「キャリアはジャングルジム」です。
一直線に組織の頂上を目指し駆け上がるのが唯一最善のキャリアではなく、組織をジャングルジムになぞらえ、上下だけでなく前後左右への移動や休憩もあることを示すものです。

育児や介護と仕事の両立等の柔軟で多様な働き方の意義は、性別や世代を超えて浸透しつつあります。副業や兼業、企業によってはサバティカル休暇等も普及しつつある今、ジャングルジムはシンプルなピラミッド的な形状にとどまらず、底面積、高さ、頂上の数、中段の凸凹などアメーバのように多様化しつつあるようです。
複数のジャングルジムを軽やかに行き来するひともいます。自分の人生のジャングルジムを自由に描き、縦横無尽、緩急自在に活躍するリーダーが増えていくことが、伴想人の願いです。

あなたが今いるジャングルジムはどんな形ですか?
そのどの辺りにいて、そこから何が見えますか?

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