ウエイクアップの伴想人プロジェクト
メンバーのチョロこと廣崎淳一です。
伴想人は次世代の経営を
担う変革人財を育てる活動をしている、
経営経験者たちで作られたチームです。
そんな私たちが願ってやまないことは
キャリアの多様性。
梯子型からジャングルジム型のキャリア、
つまり、上り下りだけでなく、横移動や
休憩、お先にどうぞ、など多様な働き方や
キャリアの在り方に共感し、支援すること。
E&I:https://wakeup-group.com/ei/#hansobito
聴くことから始まる
そんな私たちが大切にしているのは
相手の話をじっくりと聴くことですが
子育てを通じて聴くというについて
考えさせられた経験を書いてみました。
既に社会人となった長男が小5の時の
話ですから15年近く前の話です。
家族でホール(まるごと)ケーキを食べる
ことになったある夕食後の出来事でした。
誰かの誕生日でも、クリスマスでもない
その日になぜケーキを食べることに
なったのか、今やその理由すら
思い出すことはできないのですが、、、
ホールケーキを4つに切り分け(もちろん
子供達には少し大き目にカットしています)
食べたのですが、長男が何やら不満気でした。
私:「特別な日でもないのにケーキを
食べさせてあげたのに何が不満なんだ」
長男:「もっと食べたかった」の一点張り
私:「4人家族なんだから4等分が当たり前。
自分だけ多く欲しいなんてワガママだ」
もう日付も変わろうという時間になっても
彼の態度が変わることありませんでした。
次の日の学校が気になり、妻にそろそろ
切り上げようと言っても、彼女のスイッチが
入ってしまい膠着状態になってしまいました。
こちらも腹を決め、彼に自分の気持ちや
思っていることを言ってごらんと、何度も
働きかけるうちに、彼は予想もしないことを
言い始めました。
「家族の誰よりも僕はこのケースが好きだ。
みんなは1/4ずつ食べるのが当たり前と
思っていたのだから、我慢をしていない。
だけど僕はまるごと全部食べたいと
思っていたのだから、
僕だけがとても大きな我慢をした。
だから、パパやママが言うような
平等ではない」と、言ったんです。
彼の主張は食べた量の平等ではなく、
我慢した量の平等、欲求に対する満足度の
平等について不満だと言ったわけです。
それを聞いた瞬間に
「コイツ、スゲ~こと言ったなぁ〜」と、
思わず笑ってしまいました。
僕が笑ったせいで妻も笑ってしまい、
その夜はお開きになりました。
我慢の量が平等ではないとは
見事に一本取られたと思いました。
我慢の量とは相対的な話で、しかも
見えるものではないので比較の仕様が
ないのですが、それでも
そんな考え方もあるかもしれない
と子供に教えられた瞬間でした。
生まれた時から接してきた子供たち。
はじめは、おっぱいを飲み、おしっこや
うんちをして、泣いて笑って、
手足をバタバタさせることが
彼らの全てでした。
それしかできない彼らだから、親が世話を
しないと生きることができません。
でも、彼らも少しずつ成長し、
自分の考えを持ち、自分の世界を
作っていたんですよね。
そんなことは当たり前と頭でわかっていても、
どこかで子どもたちは親の思うように動くと
期待していたのかもしれません。
子供であっても独立した人格であり、
自分の当たり前を子供に
押しつけるべきではないということを
再認識した瞬間でした。
これは子育てから学んだ最大のコト
だったかも知れません。
また、屁理屈かもしれないけれど、
そんな理屈をこねられるようになった
彼の成長を嬉しくも思いました。
自分が組織の長になった時に、こんな風に
部下の「本当の心」に接していたのか?
今さらながら冷汗が流れます。