複雑でためにならないもの

ウエイクアップ・伴想人(ばんそうびと)
「いっちゃん」(市村彰浩)です。

「ネット詐欺になんか引っかかるわけないわ」
とニュース記事を見ながら思ってました。
ところが、
(このメルマガを書いている)2日前に
フィッシング詐欺にひっかかりました。

テレビでラグビーの試合を観て
興奮しているとケイタイに
ショートメール(SM)が届き
「○○銀行から重要なお知らせです。
現在、あなたの口座への入金が
凍結されています。解除手続きを
行う場合はこちらへ」とのメッセージ。

その一週間ほど前にインターネット
バンキングで送金しようとしたところ、
「取引凍結」となってしまい、解除
するのに手間取ったことがあったので、
「またか」と思い、ついそのSMに
応答して、示されたURLをクリックし
表れたいつもと同じ画面に口座情報を
入力してしまったのです。

銀行のアプリで解除を確認しようと
したところ、
「『ご利用明細』『入金制限』等のSMSや
メールは詐欺です。」とあります。
「あっ、やられた!」と気づき、慌てて
銀行に電話して口座取引を凍結してもらい
どうにか事なきを得ました。
なんとも情けない体験で落ち込みました。

そんなことに出くわして、最近、
知人に薦められて読んだ「簡素な生き方」
という本を思い出しました。
著者はシャルル・ヴァグネルという人で
1895年(今から129年前)に
フランスで刊行されています。
次のような一節があります。

「この世界では、あまりに多くの『複雑で
ためにならないもの』が幅を利かせています。
複雑でためにならないものでできた茨の
茂みは『あなたとあなたの幸福を守ります』
という甘い言葉で私たちを誘い込みます。
しかし、その茂みに入ると光は遮断されて
しまうのです。」

まるで私の体験そのものを書いているかのようです。
約130年も前の人たちも
複雑で面倒な世の中になって、悪の
誘惑に晒されていると感じていたとは。
自然科学・人文科学が進んでも、
人の不安は変わらない、むしろ複雑に
なっているということでしょうか。

さらに著者は、
「私が見たところ、現代のほとんどの人が
自分の境遇に不満を覚え、何よりも
物質的欲求に振りまわされ、未来への
不安にとらわれているようです。」
と言い、「欲求の奴隷になっていないか」
と問います。そして、「一人ひとりが
自分にかかわりのあることに専念するだけで、
生き方はシンプルに、単純に簡素になります」
と言います。

この言葉が、最近観た映画
「Perfect Days」の主人公
(役所広司が演じる平山)の生き方と
重なりました。日々のルーティンの
一つひとつを丁寧に行い、
心が満たされている、
毎日同じ場所で見る木漏れ日が
同じように見えて日々違う
その陽を味わう姿です。

生きているといろいろな人間関係があり、
感情を揺さぶられますが、
そうした中でも、簡素でありながら
自分にとって大事なものを大切にしている
生き方に魅せられます。

改めて、自分が大事にしているものに
思いを致し、余分で複雑なものを
削ぎ落したいと思いました。

さて、なにから手放すか?
まず手始めに、
「スマホのゲームをアンインストール!」
してみました。
次は。。。

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