【呪いを解く】トップのお仕事

女性リーダー

伴想人の“ちゃっぷまん”こと佐伯崇司です。
女性が当たり前に活躍できる組織への変容に
自分の経験が役立てばと思って伴想人に参加しています。

【呪いを解く】トップのお仕事

なぞなぞです。
フランス人形とワラ人形が50メートル競走をしました。
負けたのはどっち?

負けたのは、ワラ人形。
だって「のろい」のワラ人形だから。

呪いのワラ人形となれば白装束、五寸釘…の
丑の刻参りで、オドロオドロしい限りですが、
呪いの本質の話はさて置いて、
組織の呪いを解く話です。
もちろん霊能力者とか神主さんを呼んで
御祓いをしてもらうことではありません。

リーダー、特にトップの仕事というのは
多岐に亙りますが、その中で大事な仕事のひとつが
「呪いを解く」ことです。

この「呪い」は「呪縛」というもので、
いつの間にか組織に掛けられていて、
識らず識らずのうちに思考や行動が
縛られてしまっているものとか、
あまりに当たり前過ぎて誰も疑ったりしないもの、
そういうもののことです。

皆さん、自分の会社・組織には呪いなんてないよと
高を括っているでしょうが、
実にこの手の呪いはそこここにいっぱいあるのです。
気づいていないこと自体、
呪いに掛かっている証拠かもしれません。

一番厄介な呪いは、過去の成功体験です。
あるビジネスモデルやアイデアがヒットして
成功を収めると、多くの人はそれから離れられなくなる。
別のビジネスモデルや新しいアイデアに移ることが
できなくなってしまう。
それこそしがみついてしまう。
しっかり呪いが掛かっている状態です。
その成功から得られたものが大きければ大きいほど、
呪いが強く掛かってしまうのです。
勿論、すべての成功体験が呪いに変わる訳ではありません。

時代はどんどん移り変わり、
需要家・消費者の嗜好や価値観も変化していきます。
同じビジネスモデルが永遠に有効でないことくらい
他人事であれば誰しもちゃんと理解できるのに、
自分事になると突然思考停止になってしまう。
過去の成功体験は明日の成功を約束しないばかりか、
障碍になるだけです。

クレイトン・クリステンセン教授の言う
「イノベーションのジレンマ」は正にこのことです。

次に厄介な呪いは、プライドです。
拘りとか、誇りとか、あるべき姿とか、
そういう類のもの。
ビジネスマンもプロですから、自分たちの
仕事にプライドを持つことは当然ですし、
またそうあるべきなのです。
しかし度が過ぎて自分たちの拘りに固執するあまり、
顧客の事情、ニーズ、ウォンツに応えることより
自分たちの拘りを優先してしまう。
これあるあるですよね。
プライドもここまでいくと、もう立派な呪いです。

呪縛は、それが呪縛だと分かった瞬間に解けます。
呪いは、呪われていると覚った瞬間に掛かりますが、
その全く逆です。
トップの仕事は呪縛を見つけて、
呪縛だと指摘することです。
そしてそれを捨てて見せる。
そうすれば呪いは解けます。
赤字垂れ流しの祖業や第1号店などは
格好の「見せしめ」。
社訓、社歌、社旗、社章などは、無理に廃棄しなくても
お蔵入りさせて、新しいものに切り替えれば済みます。

もうひとつ意識すべきは、
一番呪いをかけてしまうのもトップだということ。
トップは本人が自覚している以上に影響力があるので、
それこそ無意識に新たに呪いを掛けてしまうのです。
トップたるもの、言動には充分心しなければなりません。

不幸にして呪いを掛けてしまったらどうするか?
豹変して、これは呪いだよと
自ら認めれば良いのです。

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