「生きている会議の創り方、進め方」  第3号 ~ 全員が発言する ~

今日は立春。
節が明けて、シャンと背筋を伸ばした笑顔が似合う年が巡ってきました。
この1年も、ウエイクアップ・リーダーズ・マガジンをよろしくお願い致します。
今回は、生きている会議シリーズの第3号をお届けします。

つい先日、ある企業様の定例会議をオブザーブさせていただきました。
この会議は、事業展開の中で重要な位置づけを持って年に2回開催される定例の社内会議で、参加人数は90名前後、半日間に渡って催される真剣勝負の場です。

この生きている会議シリーズの第1号、第2号でお伝えした通り、まず、会議の目的を明確にして、全員に共有します。
その上で、この会議をどんな雰囲気にしたいかについて、全員が自らの言葉にして発言する、というセットアップで会議はスタートしました。

そして、経営トップの強いコミットメント、企画メンバーの情熱、会議の進行役を担った方々の手腕、そして参加された方々の真摯な姿勢、これらのエネルギーが相まって、全員が主体性を持って参加できる、まさに生きている会議が展開されました。
このすばらしい成果とチャレンジに、心からの敬意を感じています。

今回はこの有難い体験も踏まえ、「全員が発言する」ということについて触れていきます。
会議が生きているか死んでいるか、ということは、参加する人達の主体性をどう喚起できるかにかかっています。
その主体性の喚起のために、可能な限り、参加者1人1人が発言する機会を設けることが重要になってきます

これは単純な話なのですが、その会議の時間中、どれくらい自分が発言できたかによって、自分がその会議に主体的に参加できているかどうかの実感が左右されることは、皆さまもご自身の経験から容易に想像していただけると思います。

とはいえ、限られた時間の中で、全員に全体の場に対する発言の機会を設けることは現実的ではありません。

そこで活用するのは、2人一組で話す時間帯を会議の進行の中に盛り込んでおくことです
その議題について感じていること、自分の意見、疑問点、どのようなことでもいいので、参加者全員が口を開いて、自分の言葉で発言する機会を設けるのです。

その際に、ちょっとしたコツがあります。

2人一組で話す時間は、双方向の対話ではありません。
時間を区切り、話し手になった人は黙り込むことなく、とにかく話し続けます。
自分の考えがまとまっていない場合でも、まとまっていないまま、とにかく話し続けます。
聴き手になった人は、相手が話すことに対して意見することなく、ただ聴くことに徹する、という一方通行の時間にします。
そして、時間がきたら、お互いの役割を交代するイメージです。

仮に片道90秒と設定すれば、90秒×2回=3分で、全員が自分の意見を口にする機会を持つことができます。
その3分が終わったところで、参加者の中から何人かの声を全体で共有する時間を持てば、‘システムの声’が会議の場全体に聴き届けられる、という次の展開が可能になります。

そのことついては、次号でお伝えしますね。

今回も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

 

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