「人を観る力」

自分にそっくりの人が世界に3人いる、という話を聞いたことがあります。

皆さんは、自分のそっくりさんに会ったことや見かけたことはありますか?
私は、社会に出てしばらく経った未だ20代の頃、たまたま仕事で乗った電車内の広告写真に自分のそっくりさんを見つけて、目が釘付けになったことを覚えています。

どこかの居酒屋チェーンの広告で、スーツ姿のサラリーマンが戦国武将の兜を被って、お刺身の大きな舟盛りを前に満面の笑顔のアップ、という写真でした。
その瞬間のことを思い出すと、宴会幹事としてしか組織に貢献できなかった当時の自分と重なって、今でも笑みがこぼれます(笑)。

現代では有名人のそっくりさんはタレントとして活躍されていますが、歴史的には影武者として重宝されたようです。
影武者と一口に言っても、その役割を全うすることは容易ではなかったと想像できます。

どこまで本物になり切れるか、本物という役割を演じ切れるか、継続的な高いコミットメントが不可欠です。
また、単に本物の一挙手一投足を真似るだけでなく、本物の内面を洞察し、本物だったらこの瞬間に何を考え何を感じるのか、その内面から、まるで本物のように振舞う必要があります。

そこには、とことん「人を観る力」が求められたはずです。

現代社会においては、私たちが誰かの影武者になる必要はありません。
しかし、本当の自分をより高いレベルで体現する余地は、誰にも残されています。

試しに、今のあなたにそっくりな本当のあなたを客体化して、外側から本当の自分を観察してみると、一体何が観えるでしょうか。
今のあなたと、本当のあなたとの微妙な違いは、一体何なのでしょうか。

もし、その微妙な違いに気づけたのなら、本当の自分に一歩近づいて、本当の自分として振舞ってみましょう。
あなたが身を置く世界が違って観えてくるかもしれません。

私の場合、先ほどの若武者宴会幹事のイメージが強すぎて、微妙な違いがセンスできないままでいます(笑)。
でもこれも何かのサインですから、まずはあのポスターのように、思いっきりの笑顔で宴会を楽しむ自分を取り戻してみようかと考え始めています。

今回も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

 

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