リーダーズマガジン

人生に必要なことはバイトから学んだ

ウエイクアップで法人部門責任者兼エグゼクティブコーチの斎藤豊です。

暑かったような涼しかったような夏が終わろうとしていますが、特にサービス業において気持ちの良いサービスを受けると嬉しく、そうでないサービスを受けると残念もしくは怒りの気持ちが湧きますよね。

今年のある夏の日のことです。

つい最近始めたゴルフの練習の帰りに、朝食を食べにあるリゾート地のデニーズに行きました。

「いらっしゃいませ、デニーズへようこそ!」

実は私、学生時代ずっとデニースでバイトをしていました。

それだけに懐かしい一声で、男性店員が迎えてくれます。それも素晴らしい笑顔で。

席まで案内してくれて、注文もスムーズなことに加えて、常に笑顔。

さらに言葉の一つひとつに心がこもっています。

料理を運んで来るときも
「ベーコンにはお醤油でしょうか。こちらに置きますね」
とさりげない一言。

会計時も
「お味はいかがでしたでしょうか?」
「良い一日をお過ごしください」
と、まさに完璧。非常に気持ち良いサービスでした。

振り返って「自分は普段お目にかかる方々に心から接しているだろうか?」と思い返しました。。。

答えは、、、出来ているとは言い難い、です。

身近な人にこそぶっきらぼうなコミュニケーションをすることがありますし、お客さまにも礼を欠いているのでは、とあれこれ思いつきます。

ただ、、、悪気は無いのです。

全くもって悪気は無いのですが、意図しない言動を無意識のうちに行ってしまい、振り返ってみると、反省することが思い当たる。。。

これ、無意識の反応・行動であるがゆえに難しいんですよね。。。

ウエイクアップで伝えているTLC(The Leadership Circle)で言うところの「リアクティブ」な行動パターンです。

さて、どうすればクリエイティブなリーダーシップの発揮につながるか。

デニーズ時代の学びを活かすとすると、
”You are on stage”
(不思議なことに、バイト研修ビデオの一言が今でも頭に残っています)。

「制服に着替えたら、ステージ上にいると思いなさい。みんながあなたを見ています」
ということでしょうか。

「どんな意図を持ってそこに立つか」
「相手にどんな印象(インパクト)を持って欲しいか」

さぁみなさん。自分がステージにいるとしたら、今日接する相手にどんな気持ちになって欲しいですか?

おまけ1:デニーズでは一貫してキッチン担当でした。間違いなく今の自分を形成した経験でした。小さな名誉ですが、当時エリア内キッチンコンテスト2位。1位の人は全国1位になったので、自称全国2位です(笑)。

おまけ2:最近、デニーズにドリンクはドリンクバーになったようですね。「コーヒーカップの底を見せないサービス(お代わりいかがですか?)」世代には、なんとも寂しい時の流れです。

2016-2017ウエイクアップ・アワード受賞者の皆様

2月22日に開催される2016-17 ウエイクアップ・アワードの受賞者が決定しましたので、速報として喜びと共にお知らせ致します。

ご応募並びに推薦をしてくださった皆様、本当にありがとうございました。そして受賞の皆様、誠におめでとうございます。

黒田 俊介様  三橋 新様

カマコン様(鎌倉からはじまった街の活性化を支援する活動)

土佐ガス株式会社様

江崎グリコ株式会社様

宮崎てげてげ通信様

「海外ビジネス武者修行プログラム」 株式会社旅武者 山口和也様及びチームビルディングファシリテーター 一同(代表 村上卓)様

(株)JALサンライト企業理念プロジェクトチームメンバー様

和田佐智子様

鳥谷部大樹様 鳥谷部愛様

大賞者のプレゼンテーション及び受賞者の皆様のご活動につきましては、2月22日のウエイクアップ・アワード開催後にHP及びメルマガ等でご紹介させていただきます。

 

 

株式会社ウエイクアップ
ウエイクアップ・リーダーズ・マガジン編集部
編集長 平田 淳二

ウエイクアップからの新年ご挨拶

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

ウエイクアップ代表 島村 剛から、新年とり年のご挨拶を申し上げます。

今年は「とり年」。あなたはこの1年を、どんな年にしたいですか?

私は、さとりの境地にはほど遠くとも、心のゆとりは大切に、自分にとって大切な場所をもう一度訪れる年にしようと、ひとり密かに考えています。

そこは、春から夏の間だけ現われる、とても綺麗な湖です。

その湖のほとりの、静かな、そして色とりどりの自然の中で、しっとりと穏やかな気持ちをとり戻す。

それはまさに、私にとっての「ひとり・リトリート」です。

もちろん仕事は丁寧に、とーり一遍では済ませません。

時代を読みとり、変化を先どりしていくことに憧れつつも、まずは、心に定めた意図どーり、足どり確かに一歩ずつ、仲間たちと共に、人やシステムが本来持っている可能性が拓かれた、幸せな今と未来を創り続けていく所存です。
特に、このウエイクアップ・リーダーズ・マガジンでは、手とり足とりとまではいきませんが、あなたの課題解決のヒントをとりまとめてお届けしていきます。

ぜひご期待くださいね。

あなたと私をとり持つありがたいご縁に心から感謝しつつ、この「とり年」がとても幸せな1年になることを祈念して、‘とり沢山’の年頭のご挨拶とさせていただきます。

ありがとうございました。

 

 

島村剛

第1回ウエイクアップ・アワード受賞者ご紹介(川添 香さん)

こんにちは。ウエイクアップ・リーダーズマガジン編集長の平田淳二です。
ウエイクアップ・リーダーズマガジン2016年も最終号になりました。

11月以降は、リーダーシップ、コーチングを活用しておられる皆さんを賞するウエイクアップ・アワードと、その実践者の方々のご紹介をしてまいりました。
そして、今年最後の、第1回ウエイクアップ・アワードの受賞者のご紹介は、川添 香さんの活動、「保育園の笑顔」です。

「私たちが心から笑顔にならなければ子どもたちを笑顔にすることはできないと思っています。でも、なれないんです・・・。」

この保母さんの言葉から、「保育園の笑顔」の活動がスタートしました。
http://my66p.com/l/m/RdcrNe0oDUnxZE
実行委員長 島村剛より

教育の現場、特に乳幼児保育の環境をよりよくしていくことは、直接的にその恩恵を受ける子供達だけでなく、より安心して若い世代が社会的な活躍の幅を広げるために必要な大切なテーマです。

川添さんは、システム・コーチングを活用して、保育園の現場が本来持っている可能性を拓くための地道な活動に取り組んでこられました。
保育園の先生方の関係性を整えることで、子供たちへの保育の質が高まっていくことは容易に想像できます。
純粋な子供達相手ゆえのチャレンジを伴うお仕事に従事される保育園の先生方に対しての心あるサポートを通じて川添さんが幸せな今と未来を創ってこられたことに対して、表彰式に集まった皆さんからも大きな認知が寄せられました。

 

ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社様 第1回アワード受賞者紹介(4)

ウエイクアップ・リーダーズマガジン編集長の平田淳二です。

今回の第1回ウエイクアップ・アワード受賞者のご紹介は、ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社様です。
各社がグローバルにしのぎを削る製薬業界の中で、ベーリンガーインゲルハイム ジャパン社は「人財教育の重視」を経営哲学とし、目に見える成果だけでなく、目に見えない文化作りにもエネルギーを注ぐことで、企業成長を成し遂げてこられました。
特に人事本部タレントマネジメント部の「オーガニック・イノベーションチーム」は、その実践部隊として、人事としてのイノベーションとは何かを議論し、先端の手法を現場に導入しておられます。
コーチングを社内文化とするだけでなく、システム・コーチング(チームに対するコーチング)の意義に早くから気づき、要となるセクションに対して、力強いワンチーム作りを実行されてきました。
社内リーダーの意識を、個人だけでなくシステム全体にまで広げることで、関係性を大切にするコーポレートカルチャーを醸成する、新しい取組みに、会場内から大きな拍手が沸きました。
実行委員長 島村剛より

異なる企業文化の融合の為にシステム・コーチングを活用されるなど、組織を‘生きもの’として大切に育み、その‘生きもの’が本来持っている可能性を拓く活動を地に足をつけてしっかりと継続してこられました。

人や組織を大切に育むことがイノベーションに繋がり、それがビジネス上の競争優位をもたらすという実践事例を積み重ねられています。

そして、その先見性と継続する力の結実により、幸せな今と未来を職場に出現させてこられました。

表彰式では、オーガニック・イノベーションチームの名のとおり、まるで即興のような軽妙さで、まさに幸せな今と未来をその場から創り、大いに会場を盛り上げてくださいました。

「北風」でも「太陽」でもない能力開発

こんにちはウエイクアップ・リーダーズマガジン編集長の平田淳二です。

本日は企業で使えるコーチングのご案内です。

・自分でやった方が早いからと部下の仕事を取り上げてしまうマネージャー

・「普通に考えたらこうでしょ」と知性で圧倒して部下をおびえさせてしまうマネージャー

・「チームワークの良いチーム」という名の「ぬるま湯」を作ってしまうマネージャー

経営者や上級管理職の皆さんの中には、「あの人」が変わってくれたらもっと業績が上がるのになぁというお悩みをお持ちの方も多いと思います。

一方でイソップ寓話にある「太陽と北風」の例にもあるとおり、こういう場面で「変われ!」とビュンビュン北風を吹かせてもなかなかすぐに行動が改善するものでもないのではないでしょうか。

なぜならば、そのような行動は、本人も悪意があってやっているのではなく、そもそもは「現状をなんとかしたい」

という思いでとった行動が不器用に出てしまっている場合も多いからです。

この点、人間は複雑系であり、上で挙げたようなマネージャー達にも、そういう行動を起こすに至った理由があり、背景があります。
そして、その奥には「こうなってほしい」という大きな想いや願いもあります。

人や組織の力を遺憾なく発揮するためにはそういうところを一つ一つ大事にしながら

まずはその人の持つ本来の力がしっかりと発揮されることが大事ではないかと私たちは考えています。

このあたりの複雑な反応を一つ一つ読み解いていくために、TLCでは、360°フィードバックを用いてその人の中で起こっている反応を「見える化」し、自分自身と自らの組織や社会にとって
本当に必要なものを「創造」するためのあり方と行動を対話の中から作り出していきます。
最終的には「太陽」でも「北風」でもなく、自分の中の「問題意識」や「願い」から発電して、内側の熱からポカポカとあったまって自分からコートを脱いでいくイメージ。
リアルな現場のふるまいに変換すると、自分から殻を破り、目的の達成に向けたチャレンジングな行動を自らに課していく思考と行動の変化。

TLCでは、単なる行動変化ではなく、そのような形での変容(Transformation)を支援しています。

TLC資格認定コースでは、こうした「変容」のメカニズムを学び、TLCを実際にご提供いただけるようになるまでのトレーニングを行なっていきます。

経営者や組織の人材開発担当者におかれましては企業内の人材育成のコンセプト&ツールとして、コンサルタントやコーチの皆様におかれましてはお客様にご提供するサービスラインナップに、

是非、TLCのコンセプトと変容のメカニズムの導入をご検討いただければと思います。

アワード第1回の受賞者ご紹介(三菱鉛筆東京販売様)

こんにちは。ウエイクアップ・リーダーズマガジン編集長の平田淳二です。

昨年のウエイクアップ・アワード受賞者のご紹介も3回目になります。

今週は三菱鉛筆東京販売株式会社 代表取締役社長 大橋 謙二 様です。

三菱鉛筆東京販売株式会社様は、「みんなで幸せでい続ける」という経営理念を掲げられています。

そしてその理念どおり、経営の目的はみんなで幸せでい続けることにある、ということを強く意図したさまざまな施策の導入により会社全体をエンパワーし、その結果として、複数年度にわたる継続的な業容の拡大を見事に達成しておられます。

こうした個人の幸せと会社の業績が両立する経営の愚直な実践が、ウエイクアップ・アワードとして表彰されました。
【ウエイクアップ・アワード実行委員長の島村より】
みんなで幸せでい続ける。

経営理念であるこの言葉を日々の経営の中で愚直に、そして誠実に探究されている姿に、表彰式に出席した私たちの誰もが心を打たれました。

事業を推進する、会社を経営するという現実の中で、まさに関係者一同の意識の進化を呼び覚まし、みんなで幸せにい続けることに会社全体の目標として本気で取り組んでこられました。

その結果、自分達が本来持っている可能性が拓かれ、複数年度にわたる継続的な業容の拡大と経営品質の向上という、ビジネス上の結果を出し続けておられます。

そして何より、「僕たちは幸せです」と満面の笑みで発言される大橋さんや清水さんの幸せオーラによって、表彰式の会場全体が幸せなエネルギーに満たされました。

昨年の様子は動画になっていますので、こちらからご覧ください。
http://my66p.com/l/m/KWcYi48Odl2qsM

 

アワード第1回の受賞者ご紹介(矢口 真紀さん)

こんにちは。ウエイクアップ・リーダーズマガジン編集長の平田淳二です。

第1回ウエイクアップ・アワードの受賞者のご紹介2組目は、矢口真紀さんです。

コーアクティブ・リーダーシップ・プログラムの学びをすべて活かし、地元の活性化に取り組まれた、素晴らしい事例です。

ぜひ、矢口さんの、人を巻き込む圧巻のプレゼンテーションを見てください。

私自身も、彼女の、リーダーとしてのあり方、行動にぐいぐい引き込まれました。

http://my66p.com/l/m/7FbJP8N5eYHwmX
矢口さんの活動「CHOINAKA」のHPはこちらです。

http://my66p.com/l/m/1eNWyMLgXxn38J
以下は、島村委員長からの言葉です。

「リーダーシップの力で周囲を巻き込み、自ら願う方向への現実のシフトを促す。

地域の活性化は、国を挙げての社会課題です。それぞれの地域が本来持っている可能性は、
たった1人のリーダーの志と継続的な行動によって拓かれる。

そのことを自ら体現し、私たちに勇気を与えて下さいました。

矢口さんが体現されたこうした素晴らしい活動が広く社会に発信され、幸せな今と
未来がこの国に広がっていくことが、私たちウエイクアップの願いです。」

 

チームの中で対立が起きた時、リーダーにできること

自分の部署やチームは調和のとれたパーフェクトな状態ですか?

そんなことはないですよね。

組織で仕事をするときは、なにからしらの対立が起きたりするものです。

今回は、そんなときリーダーであるあなたができることがテーマになっています。

株式会社ウエイクアップ
CRRジャパン トレーナー/CLO 森川有理
CRR ジャパン トレーナー   佐藤扶由夫

「チームの中で対立が起きた時、リーダーにできること」

チームの中で「対立(コンフリクト)」が起きると、リーダーとしては正直焦りますよね。

ミーティングで違う意見を持った2人がヒートアップして収拾がつかない

あるプロジェクトに2つの部署から入れたメンバー同士が仕事のスタイルのすれ違いで雰囲気が悪くなっている

「めんどうなことになったな。なんとか収めて、先に進めるか」そう思うのも当然です。

しかし、「まぁ、とにかく落ち着いて」とか「大人なんだからうまくやってくれよ」などとりなしたり、いさめたりしたとしても一時的には静まるかもしれませんが対立の炎はくすぶり続けることでしょう。

既にお気づきと思いますが、たとえビジネス上のことであっても、こうしたケースの大半は「感情」が影響しています。

「大人なんだから、感情なんかコントロールして淡々と仕事するものだ」と思われた方、まずはご自身を振り返ってみて下さい。

これはいける!と思いを込めて提案したアイデアをチームメンバーに全く理解してもらえなかった時

プロジェクトでこの進め方が最適だとしか思えないのに別なやり方で推し進めようとするメンバーを見た時

何かしらザワザワと感情が湧いてきませんか?

それは憤りのような強い感情かもしれませんしあきらめのような内側に篭る感情かもしれません

もちろんビジネスパーソンとしては一定のセルフマネジメントは必要です

しかし、それが自分の大事にしていること、こだわり、哲学などに触れていればいるほど感情が動くのは人として当然のことです

そして、その感情を「無い」ことにして取り扱わなかったとしてもパフォーマンスになんらかの影響を及ぼすのは明らかです。

「あの人がいるミーティングではもう本音は言えない」
「あのメンバーに話してもどうせ理解してもらえない」

そんな思考が背後にあるチームでは生産性の高い議論や創造的な仕事は望めません。

では、冒頭のような対立の場面に遭遇した場合、リーダーとして何ができるのでしょうか?

万能薬となる解決法はないかもしれませんが、お勧めしたいのは

「対立しているメンバーの感情をリーダーが聴いてあげる」

ということです。
いわゆるネガティブとされる感情こそ、聴いてあげるのです。

例えば、ミーティングで二人のメンバーの間に対立がある場合場を変えて二人一緒に面談をし、それぞれの「感情」をリーダーに対して話してもらいます。

この時のポイントは2つあります。

1つは「意見」や「出来事」ではなく「感情」にフォーカスすること。当人たちはもちろん「意見」や「立場」を話したがると思いますが、

「二人ともこれから先一緒にやっていく上で欠かせない大事なチームメンバーなので、今日はまずそれぞれの気持ちを聴かせてほしい」

としっかり目的を伝えて、当人が「意見」を話し出した時にも

「なるほど。で、どんな気持ちでいるの?」

とか

「そうか。思いがあるプロジェクトだからこそ残念な気持ちなんだな」

といったように「感情」にフォーカスし続けてください。

もう1つのポイントは「リーダーに向かって1人1人ずつ短く話してもらう」です。

「感情」についてお互いに話させると間違いなくヒートアップするので話は必ずリーダーに向かって話してもらいます。そしてもう片方のメンバーには横で黙って聴いていてもらうのです。

対立している相手の「感情」を聴くのは聴く側からするとしんどい時間でもあります。そこで一人ずつは短く、ただし何回か繰り返し話させてあげることが大事です。

これを繰り返すことで圧力鍋の中の蒸気が少しずつ抜けていくように少しずつそれぞれの気持ちの圧力が落ち着いてきます。

このタイミングで二人に問いかけて下さい。

「今、対立している部分もある二人だけれどもこの問題を乗り越えて一緒にプロジェクトを成功させるのは何故大事なのかな?」

「感情」が落ち着いたからこそ自分の真のこだわり、価値観を見つめ直して取り組み方や関わり方を考え直すスペースが生まれてきます

「感情」、特に否定的な感情は無いことにするのではなくむしろしっかりと表現してもらう。
ただし、リーダーが受け皿になって安心安全な場を創ることでマネジメントする

リーダーにとってはタフなアプローチかもしれませんが感情的なしこりを長く引きずり、腫れ物に触るように扱ったり対立があるのに力技で強引に前に進めていったりした方がずっと多くの時間やエネルギーを割くことに結果的にはなるのではないでしょうか。

「感情」に向き合ってマネジメントするこれからのリーダーに求められる新たなコンピテンシーです

2つのリーダーシップのかたち

こんにちは、ウエイクアップ・リーダーズ・マガジン

編集長の平田淳二です。

「私、経営者やマネジャーじゃないから、まだリーダーシップは関係ないかな」

といつも読みながら思っている方!

それは間違っています。
ビジネスでは、様々なポジションから、いろいろな方法でリーダーシップを発揮する方法がありますし、求められています。

今回は2つのリーダーシップのかたちを紹介します。

株式会社ウエイクアップ チーフケアテイカー

山田 博

 

~「前から」と「後ろから」の引き出し方~

今回は、コーアクティブ・リーダーシップの力の引き出し方の「前から」と「後ろから」を同時にご紹介します。

まずは、「前から」のリーダーシップです。リーダーが前に立って方向性を示したり、指

示を出す姿は馴染みがあって、よく見かけるものですね。

コーアクティブなリーダーシップでも、もちろんリーダーが力強くビジョンを示す場面もあります。

ただ、皆さんにこんな経験はありませんか?

練りに練った方針だし、どこからみても正しいと自信があるので、再三再四メンバーに方針説明し、行動を指示しているのに、思ったほどにメンバーが動かない。

そんな時、結果を出すために、さらに声を大きくして、指示を出し続け、自分もメンバー

も次第に疲弊していく。

私も営業マネージャーになりたての頃、まさにそんな経験をしました。

業績があがらず、もがくほどに悪循環に陥ってどうしてよいかわからない。

そんな時、リーダーはあらためてメンバーとの「つながり」を意識する必要があります。

それは、そもそもメンバーとの間に信頼があるのか、自由にものが言える雰囲気があるのか、

といったことです。

私の例でいえば、先ばかり見て焦っていて、目の前にいるメンバーのことを見ていないので、

つながりは薄れ、1人で空回りしていたわけです。

では、このつながりを創るには何が必要なのでしょうか?

まず、リーダーが自分をさらけ出す必要があります。自分の失敗を認めなかったり、本当は困っているのに、強がってばかりのリーダーとは心の距離が離れていきます。

逆に、自分の状態を包み隠さず、率直に表現していると、メンバーも近づきやすくなりますよね。

一方で、つながりは仲良しとは違います。メンバーと近づきたいばかりに、なんでも受け入れる態度を取っていては、ぬるま湯のチームになってしまいます。

時には、勇気を持って厳しいフィードバックを伝えることも重要です。それがメンバーの成長を思っての本気の言葉であれば、かえってつながりは強くなります。

リーダーがありのままの自分であって、率直なコミュニケーションが日常的にある時、信頼が深まり、つながりが生まれます。

そして、リーダーがつながりを保ちながら、力強く方向性を打ち出す時、チームは自ら動き出します。

次に「後ろから」のリーダーシップです。

誰でも、前面に立って進もうとする人を応援する立場を経験したことがあるのではないでしょうか?

たとえば、

子どもの成長を見守る親の立場。

部下に仕事を任せる上司の立場。

選手の活躍を声を枯らして応援する立場。

こういう立場の時に、どんなことがあると、応援された人は力が湧いてくると思いますか?

それは、相手を信じて疑わない気持ちと態度です。

親の立場でいえば、転んでしまいそうな時に、思わず手を差し伸べたくなるところをぐっと

こらえて、「必ずできる!」と信じて見守ること。

時にそれは忍耐が必要で、親としてつらい思いもするかもしれませんが、その見守る態度が、子どもを力づけます。

仕事を任せた上司の場合。

任せてはみたものの、成果があがるかどうか気になってしょうがない。ついつい出だしをしてしまい、部下の不信を買う。そんなことが起きがちです。

失敗を通じて学び、きっと成長すると信じて黒子に徹すること。

部下が意気に感じて力を発揮するにはそんな環境ではないでしょうか。

オリンピックの競技後のインタビューで、選手達から口々に、「皆さんの応援に力をいただきました。」という言葉が出てきます。

勝利を、記録を信じて疑わない気持ちが、見えない力で後押ししています。

これらは、すべて「後ろから」のリーダーシップです。

惜しみなく奉仕するリーダーがいる時、前面に立つ人は力づけられ、思い切って一歩を踏み出すことができます。

また、ウエイクアップが提供している「コーチング」もこの「後ろから」のリーダーシップのひとつの表現です。

コーチがクライアントの可能性を信じて、クライアントの言葉を評価判断せずに心から耳を傾ける時、クライアントは未知の領域にリスクを取って行動できるのです。

リーダーは時と場合によって臨機応変に「前から」と「後ろから」のリーダーシップを行き来する必要があります。

自分が自然に力を引き出せるのはどちらなのかを自覚していくことで、苦手な方を意識的に磨いていく助けにもなります。