ウエイクアップ・伴想人のオグ(小串記代)です。
私は以前パーソナルカラーの講座に通っていました。
その人に似合うカラーを診断するものです。
講座のグループワークで、
男性のコーディネート演習がありました。
「40歳男性管理職がパーティに参加」というお題。
私のコーディネートをみた若いメンバー達は、
「あ、こんな人新橋界隈でよく見るよね」と撃沈。
(新橋の男性諸氏、ごめんなさい)
多数決で決定した結果をみて、私の心が叫びます。
「えっ、チャラ男!これがいいの?」
一方、自分の過去の経験、価値観や嗜好に縛られて
いたかもしれないとも思いました。
自分の経験を過信していたのかもしれません。
狭い自分の経験則で判断していたのかもしれません。
その時のメンバーの声は、
私の心を刺激してくれた気がします。
経験は、扱い方によっては功罪があるように思います。
“Fools say they learn from experience.
I prefer to learn from the experience of others.”
あらためて、ドイツの宰相ビスマルクのこの言葉は、
経験から学ぶことの本質を投げかけてくれます。
他者の経験を追体験することは、自らの主観的、
限定的な経験則の枠にとらわれない、
私たちの構えに通じます。
その前提として、自分の経験を内省し、
客観的に意味づけを行い、
持論をつくる機会を意識的に持つことを
考えさせられます。
そこには他者の存在が必要です。
相手とのかかわりがあるからこそ、
気づきを得て、次の行動につなげる
連続性が生まれます。
人材育成でよく活用されるコルブの経験学習理論
(David A. Kolb, 1984)では、【経験する】
→【省察(内省)する】→【教訓を紡ぎ出す】
→【応用する】というサイクルを通して
経験から学び成長することを示しています。
【省察(内省)する】際には、自分だけでは客観的に
状況が把握できないため、異なる視点からの
問いかけ、つまり他者の存在が必要だと指摘しています。
同時に、過去の経験という枠組みにとらわれず、
新しい環境に合わせてアンラーニングする柔軟性も、
他者の異なる視点から自身の経験を見ることで
気づきを促すでしょう。
コルブが言っていることを参考にして、他者から学ぶと、
講座で私がとるべき行動は、
次のようになるのではないでしょうか。
私の40歳男性の仮説が間違っているかもしれない。
まずは、彼女たちの考える40歳がどんな人達か
具体的に聞いてみよう。
「ライフスタイルは?」
「みんなから見たら、どんな感じが素敵だと思う?」
自分の中にあった40歳のイメージは、今の私と
20代で持っていたイメージが混在していたかもしれない。
私の持っていた古いイメージを一旦棄てて考えてみよう。
他者との対話は、内省支援になるはずです。
次の機会には少なくとも「ちょいワル」か「イケおじ」
くらいのコーディネートをしようと思います。
昨年6月にスタートした伴想人プロジェクトの
第5期オープンコースも終盤を迎えています。
この季節になると、次世代の経営を担うリーダーとして
力強い姿を見せてくれる皆さんに感動を覚えます。
9か月間、参加者同士やメンタリングを通じて、
他者の異なる視点や問いかけに触れることで、
一人ひとりが自分の物語を紡ぎ、
経験の意味づけをしながら次の行動への
はずみになっていれば、
これほど嬉しいことはありません。