こんにちは。組織変容®コーチの木村史子です。
企業の組織変容を外部からサポートする私たちの関わり方はさまざまで、
①チーム・組織に対するコーチとして
②トップに対するエグゼクティブコーチとして
③組織変容を担う事務局チームに対して伴走支援コーチとして
などなど、さまざまな関わりがあります。
つい先日、数年ほど前に関わった組織のトップの方と久しぶりにお会いする機会がありました。組織変容コーチとしては①や③の関わりをすることが多い私ですが、その組織には①や③の役割を担う方々がすでにいて、私は②のエグゼクティブコーチとして数か月関わらせていただきました。
その部署は、社内でとても評判が良く、そのリーダーの方もこの数年で昇進を果たして部下も10倍の人数がいらっしゃるお立場になっていました。
久しぶりにお会いして、「その後どうですか?」とお話を伺ったところ、興味深いお話が聞けました。
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その方は、外資コンサル出身×理系院卒のとてもクレバーな印象の方で、自組織やチームに関わる際にも、緻密にメンバー一人一人に合わせたマネジメントを遂行されていました。その個人に合わせた緻密なマネジメントの一つ一つに理由があり、私にとっては、なんというか「すべて計算ずく」な印象でした。
コーチングでもどんな質問をしても、ズバッと端的にお答えが返ってくる印象の方でした。
その方がこの数年を経て、かつてのエグゼクティブコーチの私に「木村さん、私はあの頃、リーダーとして本当にダメだったと思います。自分の影響力に本当の意味では責任を持てていなかったと思います」とお気持ちを吐露されました。
「私は、自分の発言の影響力が予測できない時、勇気を持ってさまざまなことをオープンに話すことはとても苦手でした」とおっしゃっていました。
確かに、かつては、ご自身の発言の先の先の先まで予測して、立場や場所やその人に合わせて必要な情報を出したり控えたりするようなところがある方だったと思います。
一方で、組織を本気でリードしようとした時、もしくは組織変容の源になろうと思った時、リーダーには「予測できないこと」に足を踏み入れることが必要になる時が多々あります。
リーダーが自分の予測可能な範囲で人・コト・モノ・情報のマネジメントをしようとした時、組織やチームの可能性はその人の器の範囲でしか成長できなくなってしまうのでしょう。その方はこの数年でそれに気づかれたのだと思います。
自分の発言や行動の影響力を読むことができない、どうなるかわからない中に
一歩踏み出して、その影響に自ら責任と覚悟を持って、自らカオスの中に入っていくことで、リーダーも成長し、そして、チームがリーダーの器を超えて成長していくのでしょうね。