力を削ぐもの

こんにちは、組織変容コーチの川添香です。

「このままだと力が削がれそうな感じが
するんですよね」

あるシステムコーチング®の
事前インタビューでの発言です。

発言の主Aさんはとある
プロフェッショナルなチームの一員。
このチームのメンバーはプロの手腕を
買われて入社しています。
Aさんも活躍の場を期待してこの会社に
入りました。

しかし、半年たって感じているのは、
なんとも言えないチームのギスギス感。

というのも、
全員がプロ意識の強いこのチーム、
メンバーはそれぞれ一家言を持ち、
主義主張が激しく、批判や非難、時には
皮肉という行き過ぎた表現が使われる
ことが日常なんだそうです。
最初はこれもいいものをつくろうとする
意識の表れと理解しようとしていた
とのことですが、ここにきて少し
お疲れ気味の様子です。

そんなAさんの話を聞いているときに、
近所の小学校から運動会の音楽が
聞こえてきました。
すると私の脳裏に浮かんだのは、
綱引きのシーン。
Aさんの話と相まって綱引き実験という、
古典的な社会心理学の実験を思い出したのです。

この綱引き実験は、それぞれ力の違う
何人かが綱を引くとき、それぞれの力が
めいっぱい出されるかどうかを測るものです。

例えば、最大の力が120kg出せる人、
100kgの人、80kg、60kgの人がいる
と仮定します。
合計すると360kgの力が出せるわけです
が、計測すると、これ以下の数字に
なったそうです。

これを生産性に当てはめて、
実際に出た数字を「実際の生産性」、
最大の力を合計した数字(ここでは360kg)を
「潜在性生産性」とすると、
両者の間には何らかの「ロス」が
発生したことになります。

これを社会心理学者のスタイナーは
次の式で表しました。

実際の生産性=潜在的生産性-プロセスロス

「プロセスロス」の「プロセス」は
人間関係の側面でお互いの間に起こって
いることを指します。一人ひとりの
気持ちやコミュニケーションの取り方、
それによるお互いへの影響です。
話している内容ではなく、
それがどのように話されているかの部分
になります。

Aさんのチームの場合、
話されている内容は自分自身のプロの
経験からの話ということでしたが、
どのようにその話がされているか、
それがチームにどのように影響しているか
までは意識が向いていないようです。

Aさんは自分のやる気が削がれているのに
気づいていました。
これが「プロセスロス」です。

Aさんの話から、私はまずこのチームに
「プロセス」を自覚してもらう必要がある
と感じました。
チームの潜在的生産性が発揮されるには、
ロスを生じさせているプロセスに気づき、
そのプロセスを改善させる必要があるからです。

システムコーチング®はチームが
プロセスに気づき、自ら改善
していけるようサポートしますが、
どのように改善したらよいのかは
チーム自身が答えを持っています。

さて、プロセスロスがあれば、
「プロセスゲイン」があります。
こちらは、チームの相乗効果で潜在的
生産性を越えて、実際の生産性が高まる
という考え方です。

果たして、このチームはどのような
プロセスをたどっていくのでしょうか。

(参考図書:入門 組織開発 中村和彦)

※システムコーチング®は
CRR Global Japanが所有する登録商標です。

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