ウエイクアップの原口裕美(ひろ)です。
CTIではコーチング・プログラムの公開コースと
企業向けコースのリードを担当しています。
私がコーアクティブに出会ったのが、2010年。
当時の仕事でコーチングのスキルが必要になり
基礎コースを受講したことが最初のきっかけでした。
以来12年間、
うまくいっている時はもちろん、
うまくいかなくて、もがき苦しんでいる時も
コーチングに魅了され続けてきました。
どうして?
コーアクティブの実践は、
問題に効果的・効率的に対処する
武器を手に入れていくような成長ではなくて
人の進化・成長に繋がるものだ、と
感じたからです。
アインシュタインの言葉に
「いかなる問題も、それを作り出した
同じ意識によって解決することはできない」
というものがありますが、
当時コンサルタントとして携わっていた
リーダーシップ開発の分野においても
自分自身が直面していた人生の問題においても
スキルフルになることが本質的な問題の解決には
繋がらないと感じていたので
コーアクティブから得られるこの成長の可能性に
私は飛びつきました。
そして、コーチングの実践を通して
コーチとしての学びを深めることが
単にコーチとしてスキルフルになるという以上の
私が人としてよりよく変化していくことと直結している
という感覚に今もずっと魅了され続けています。
例えばこんなことがありました。
コーチとして駆け出しの頃、上級コース中に
私は自分のコーチとしての在り方に
違和感を覚えたことがありました。
きっかけは、クライアントから寄せられた
何気ない一言でした。
クライアントとの間に、何か、薄い一枚の壁がある
それは、相手ではなく、自分の側にある、と
感じたことがあったのです。
その壁を超えたところで、
目の前のその人に出会いたいのに、超えられない。
苦しい時期がしばらく続きました。
面白いことに、
その壁を超えていくことは、私にとっては
自分のNCRW*1と、内なるリーダー*2の感覚を
一層深める体験になりました。
以降のコーチングが劇的に変化したのは
言うまでもありません。
こうした小さな違和感を逃さずに
その先に、自分の中に何があるのかに
好奇心を向けてみる。
そんなことの積み重ねが、気づけば12年。
私はコーチが自分に向けることができる
眼差し以上のものを
クライアントに向けることは
できないのではないかと思っています。
コーチである前に、
人として自分の人生にどこまでの好奇心を
向けられているか
うまくいっている時も、そうではない時にも
自分の可能性にどれだけの諦められなさがあり
情熱的であるか。
大切なことじゃないかなと思います。
そしてもう一つ、私を魅了し続けたものは
「コーアクティブ・モデル」です。
これは基礎コースの中で
コーアクティブ・コーチングの全体像として
紹介されるものですが
ここには、コーアクティブが
人をどんな存在とみているのか、
明確なスタンスが表れています。
私はこのモデルから
「すべてを使って人間らしく生きよ」という
メッセージを受け取っています。
コーアクティブを学ぶことは、
自分のすべてを使って
人間らしく生きることの選択です。
そしてその学びの実践は、
人生でもっともやりがいのある
もっともリターンの高い自己投資です。
自分の人生を手にしていくのですから。
ぜひ、それぞれの持ち場で
コーアクティブの実践を続けてください。
そして、継続のコツは
1人でやろうとしないこと。
学びの場で仲間と出会い、繋がっていくこと。
仲間がいることで、
自分を立て直せることはたくさんあります。
実践の先に、どんな自分になっていくのか
その旅を楽しんでください。
*1:コーアクティブ・コーチングの基本的な考え方を表す「4つの礎」の一つ。
“People are Naturally Creative, Resourceful, and Whole.”
(人はもともと創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である)
*2:コーアクティブ・リーダーシップ・モデルにある5つのディメンションの一つ。
https://www.thecoaches.co.jp/leadership/cle.html#overview