
ウエイクアップの中島尚毅です。
普段はCTI JAPANの上級コーストレーナーや法人営業担当としてCo-Active®の智慧を企業の組織風土改革に活かす支援に携わっています。
先日、ある企業からご依頼をいただき、同じ部署に所属する約100名の社員の皆さまに向けて「人間関係は意図的(意識的)に築くことができる」というテーマでお話しする機会がありました。
(※記事内の記載は、企業名・個人が特定されない形に配慮したうえで、主催企業のご了承のもと掲載しています)
人と人との関係は「自然とできるもの」と思われがちですが、Co-Activeコーチングでは、より良い関係性は“協力しながら、意図して”つくることができると捉えています。今回はその考え方を紹介し、職場の中でお互いが関係性を主体的に築いていくための手がかりとしていただくことを意図してお話をしました。
関係性を築くためにはまず、「人はもともと創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である(NCRW*)」という人間観を持つことが土台になります。そのうえで、相手の話す内容だけでなく、話しているその人の価値観や感情など、人そのものに好奇心を向けた対話の姿勢も大切にしていただきたいとお伝えしました。これらはすべてCTI JAPANでお伝えしているCo-Activeコーチングの考え方を職場で活用する文脈に置き換えたものです。加えて、職場で関係性が崩れやすい典型的なケースにも触れ、具体的な対話の工夫についても紹介しました。
セミナーの後半では、短い時間ながらも目の前の相手との関係性をリアルタイムで築いてみる「対話の大実験」を実施しました。また、セッションの締めくくりとして、「今日の気づきを、これから職場でどう活かすか?」を同じ職場のメンバーと語り合う時間も設けました。こうした対話の時間が、参加者の皆さんにとって新鮮で印象に残る体験となったようです。
実施後のアンケートでは、
「普段話さない相手と深く話せた」
「“知る努力、知ってもらう努力”という言葉が響いた」
「“意図的”という言葉のイメージが変わった」
といった声が多く寄せられ、セミナーへの満足度も、業務への活用意欲も非常に高い結果となりました。
なかでも印象的だったのは、
「自分の価値観と他者の価値観が異なることを改めて実感した」
「相手の考えを知るには、自分から働きかける姿勢が必要だと気づいた」
といったコメントです。
普段、同じ職場にいながら関係性についてあえて言葉にする機会はそう多くありません。だからこそ今回のような場が、「安心して話せる時間」の大切さを思い出すきっかけになったのだと感じました。
さらに、
「苦手なタイプの人を無意識に避けていたけれど、相手の“良い部分”に目を向けることの大切さに気づいた」
という声もありました。私たちは、時に無意識のうちに関係性の可能性を閉ざしてしまっていることがあります。けれども、意識することで関係性はもう一度開かれていく。その希望を、改めて教えてもらった気がします。
関係性は「自然と生まれるもの」だけではなく、「意図して築いていくもの」。そのように捉え直すことで、職場やチームの在り方は確実に変わっていきます。
私は、Co-Activeコーチングを学ぶことで、立場や役職を問わず誰もが職場の人間関係を育み、組織の活性化につなげるための実践的な知恵を手にすることができると確信しています。
そして、そうしたチャレンジに向かうビジネスパーソンに寄り添い、支援し続けていくこと――それが、私自身の願いでもあります。
*NCRW:Peaple Are Naturally Creative, Resourceful and Whole.の略