あなたの組織に「眠っている犬」はいますか?

眠っている犬

組織変容®コーチの木村史子です。

組織の中には、3匹の犬が存在します。
まず、重要で緊急度の高い「吠える犬」。次に、戦略的に重要ではあるが、緊急度は高くない「吠えない犬」。最後に、誰も進んで話そうとはしないけれど、話し合われない限り先に進むことが難しい、話すことのできない問題、それが「眠っている犬」です。
(出典:「フィールドブック学習する組織『10の変革課題』なぜ全社改革は失敗するのか?」ピーター・センゲ他著の書籍)

私たち組織変容コーチは、各企業に赴いて、その組織について、何人かの個人へのインタビューを通じて理解を深め、組織変容のステップを見立てていきます。
その際、組織にいる「吠える犬」と「吠えない犬」、そして「眠っている犬」が明らかになることがあります。

例えば、ある企業では、社長派と会長派の2派があり、社長派だけが重用され続けているという「眠っている犬」がいました。しかし、最初は誰もこの問題に触れようとしません。あまりにも当たり前で、手のつけられない問題として、皆さん半ばあきらめの境地に達していたからです。

また、別の企業では、トップと異性のメンバーとのただならぬ関係性が、組織のメンバー全員から反感を買い、トップが信用を失っていることが個人インタビューから明らかになりました。まさに、普段の会議室では決して話されない「眠っている犬」でした。

このような「眠っている犬」については、公のミーティングではほとんど話されません。スポンサーとのアンオフィシャルな場で、「実は・・・」と語られたり、組織のアセスメントのための個人インタビューの最後の5分間で、「他に何か私たちコーチが知っておいた方が良いことはありますか?」と問うと、長い沈黙の後、その存在をようやく話し始めてくださる、そんなことが多いです。

組織がよりよく変容していくために、時にはこの「眠っている犬」を扱う必要があります。しかし、皆さんが一堂に集まって、最初からそのことを口にするのは本当に難しいことです。
皆さんの準備が整ってから、このテーマをテーブルに上げることに許可をいただく必要があります。
または、あまりにも全員で取り上げるには相応しくないテーマの場合は、個別に取り扱う必要がある場合もあるでしょう。
ファシリテーターが「眠っている犬」について話を切り出すと、皆さん一同に黙ってしまうこともありますが、せきを切ったように本音が飛び出てくることもあります。

皆さんの組織の「眠っている犬」はどんな犬ですか? これを理解し、扱ってみることで、組織変容に向けて前進する重要な一歩が踏み出せるかもしれません。
「眠っている犬」を組織内のメンバーが自ら扱うのは至難の業です。ぜひ、組織変容コーチにご相談ください。