ぼくはなきました ―認知の力がもたらすもの―

空に花丸(認知のイメージ)

ウエイクアップの上田晶子(あっちゃん)です。

昨年春に長男が小学校に入学したのをきっかけに、絵本の読み聞かせボランティアを始めました。今月が担当月だったので、長男と相談して2冊の絵本を選びました。

選んだ中の一冊の絵本のタイトルは、『ぼくはなきました』。

‟自分のいいところを紙に書いてみましょう”と先生が提案して、そうたくんは、一生懸命考えてみるけれど、何も浮かびません。ママのいいところや、お友だちのいいところは、たくさん浮かびます。「せんせい、ぼくはいいところがありません……」と泣きそうになりながら話すそうたくん。

そんなそうたくんに、先生がにこっと笑って、‟ともだちのいいところをたくさんみつけられるのは、そうたくんのいいところですよ”と書いた紙を渡してくれます。そうたくんは、うれしくて泣きました。

この絵本に出会ったとき、私の大事な宝もののことを思い出して、読み聞かせの最後に子どもたちにも見てもらいながら、‟みんないいところがたくさんあるよね。自分のいいところも、お友だちのいいところも、たくさん見つけられるといいね”と伝えました。

小学校5年か6年の頃、担任の先生の提案で「いいとこ探し」をやりました。クラスのみんなのいいところを、全員がクラスメイトそれぞれのいいところも自分のいいところも、一人一つ以上見つけて紙に書くというものでした。そして、全員分のシートを先生が一枚ずつハサミで切って、台紙に貼ったものを渡してくれたのです。

絵本との出会いを機に、久々に「いいとこ探し」シートを開き眺めてみて思ったのはこんなことです。

  • クラスのみんなは私のことをよく見てくれていたんだな
  • 自分から自然と現れてくるものや当たり前にやっていたことに、クラスのみんなは価値や感謝を感じてくれていたんだな
  • ‟自分らしさ”とは何かが、シートを通して伝わってくるな

そして、心があたたかくなるのを感じました。

Co-Activeコーチングには様々なスキルがあり、すべてのスキルは、そのスキルを活用した結果として相手に起こる影響/インパクトに名前をつけています。

私が感じたのは、まさに認知のスキル(acknowledgement)のインパクトです。

先日、企業の方たちに向けてCo-Activeの要素をお伝えする機会がありました。
2日間の流れの中で「認知を伝える」という演習があるのですが、小グループでの演習後に全体の場に戻ってきたみなさんのお顔はにこやかで、場の温度感がよりあたたかに変わったように感じました。

あなたの明るさに、いつも助けられています。
あなたは諦めずに取り組み続ける粘り強さがありますね。
やさしく接してくれてありがとう。
いつも丁寧な仕事をされていますね。

誰かから渡されたシンプルな認知の言葉が、力を与えてくれることがあります。自分を思い出させてくれることがあります。ずっと心の支えになることがあります。

あなたは今日、誰に、どんな認知の言葉を伝えたいですか?