ウエイクアップの上田晶子(あっちゃん)です。
先日長男と二人で、子どもたちが様々な職業体験ができる「キッザニア」に行きました。
子どもたちが体験を楽しめる様々な工夫が散りばめられていて、大人の私も興味深く過ごすことができました。
一方で感じたことは、限りある時間の中で、子どものニーズと時間のパズルをうまく組み合わせながら、「いかに多くの体験をするか?」に、大人も子どもも囚われがちになるということです。
それぞれのアクティビティの予約枠と時間を気にしながら慌ただしく過ごし、体験終了時間まであと40分を切り、「最後にサッカースタジアムやりたい!」と言い出した長男。予約枠はすでにいっぱいだろうなと思いつつ、2階のスタジアムに通ずる階段を探し、足早に駆け上がると、予約受付窓口がまだ開いていて、先に3人のお友達グループの子どもたちが並んでいました。
なんと幸運!と思いながら並んでいると、ちょうどその3人で予約枠が埋まってしまい、「これで予約受付終了になります」とのアナウンス。
そのアナウンスを聞いた瞬間に、踵を返し、黙ってスタスタと歩き出す長男。
意外に冷静だなと思いながら後を追い、出口に向かうのかと思ったら、会場の中を足早にぐるぐると歩き続けています。
「もうそろそろ終わりの時間だから、外に出ようよ」と伝えると、こわばった表情でその場に立ち止まり、動かなくなりました。泣くのをこらえて、肩に力が入り、握りしめている受付カードがぐしゃぐしゃになっています。
「外に出て、ちょっと話そうか」となんとか彼を連れ出し、静かな場所で二人で話しました。
彼から語られたのは、自分の前で受付が締め切りになってしまって、残念だったこと。悲しかったこと。もっと早く2階に上がる階段を見つけられたらよかったと思ったこと。会場を歩きながら、イライラしていたこと。言葉にしながら、こらえていた涙がポロポロと溢れ出しました。
ママが感じたことも言っていいかな?と聞くと彼が頷いたので、私が感じていたことも伝えました。
ママも最後にサッカーをやれたらいいと思っていたこと。でも人数が決まっているから、やれる子もいれば、やれない子もいること。やれないと分かった時、お姉さんが、ママたちの目を見ずに終わりですと言ったことが残念だったこと。できなくてごめんね、また来てね、と言ってほしかったこと。
自分が感じていたことを言葉にして、私が感じたことを聞きながら、少しずつ
落ち着きを取り戻し、最後は「次に来る時は、地図をちゃんと確認して、一番最初にサッカースタジアムに行こう」ということで落ち着きました。
一連の長男の気持ちの動きを感じながら、彼が「体験すること」「体験を言葉にすること」「体験から気づき学ぶこと」ができてよかったなと感じました。
Co-Activeコーチングの学びのプロセスでは、“体験すること”と同じくらい、
“体験から学ぶこと”を大切にしています。実際のコーチングの流れの中でも、前回のコーチングで自ら決めた行動を実践してみてどうだったか? 何に気づき、何を学んだのか? を言葉にする機会を意図的に創ることを大切にしています。
そこには「人は、自ら体験し、そこから学び、成長する力を持っている」という前提があります。
一方で、ともすると私たちは、新しい体験を積み重ねることに一生懸命になりがちで、その体験から、今、自分は何を学んでいるのか?を丁寧に受け取らないまま、次の体験をさらに積み重ねてゆくことをしがちなことにも気がつきます。
2024年、新しいチャレンジや体験をした方も多くいらっしゃると思います。だからこそ、師走の今、こんな問いを自分に丁寧に投げてみることをおすすめします。
- その体験は、私にとってどんな機会だったのか?
- その体験から、私は何に気がついたのか?
- その体験から、私は何を学んでいるのか?
- その気づきや学びを、どんなふうに生かしていきたいか?
あなたの体験が、あなたの一部となり、あなたのこれからに使われてゆきますように。