こんにちは。ウエイクアップの 組織変容コーチの中村菜津子です。
少し前のことになりますが、今年の夏はCo-Activeコーチングと親和性の高い社会構成主義をベースにした心理療法を学びにニュージーランドへ行ってきました。なぜこの手法がこの国で生まれたのか、実感する機会はたくさんあったのですが、なかでも勉強の一環で訪れた地元の小学校にあった「レインボーチェアー」は印象的でした。
この公立小学校に通う子どもたちは、原住民のマオリ族や難民をはじめ、色々なルーツを持っていることが一目でわかります。そもそもみんな違いますよね、から始まるコミュニケーションの中で成長するだけでも日本とは違うのだろうと思うのですが、きっと学校だけでなく社会もそうなのだろうという想像が容易につきました。
入学式はなく、6歳になったら自分のタイミングで学校生活を始める。休み時間の好きな時にお昼を食べる。教室も日本のように机と椅子が人数分並んでいることはなく、フリーアドレスといいますか、大きい部屋の片隅で先生が教え、子どもたちは椅子に座ったり、地べたに座りこんだり、立ったままだったり、好きなスタイルで話を聞きます。
発達障害はニューロダイバーシティと表現され、脳や神経のさまざまな特性は人によって違うと捉え、一緒に学びつつも、落ちつけなくなったら行ってもいい少し暗めの別室や、勉強が難しく感じた時に受けられる補講の仕組みも用意されていました。
そんな学校の体育館の横にあったレインボーチェアと呼ばれる虹色にペイントされたベンチ。そこには、喧嘩をしたり、何かの理由で一人なのだけれど、誰かと一緒に居たい人が座ります。「運が良かったら、誰かと遊んだり、お話ししたりできるかもしれないね、というベンチなの」と、校長先生が特別なことではない感じで教えてくれました。
その話を帰国後、土産話でしてみると、「素晴らしいアイデアなのでぜひ広めたい」「自分の組織にも提案したい」という反響が集まりました。
果たして日本の子どもたちはこのベンチに座るのだろうかと私は疑問に思いますが、みなさんはいかがでしょうか。
同じような相談を仕事でも受けることがあるなと思いました。
肯定的なコミュニケーションを増やすために効果的と言われているあるアプリを職場に導入したが、だれもやろうとしてくれない。他部署の人との交流が活発化すると言われてカフェスペースを作ったが、昼寝の場所になってしまい交流が生まれない。
他で成功している事例もそのまま導入しただけではうまくいかないのかもしれません。
この小学校には職員室の代わりに、先生たちのためのブレイクルームがあり、休憩時間にはここでお茶を楽しむのだそうです。
きっとこのベンチは、子どもたちひとりひとりがどうしたら頑張れるか、どんな環境が良いのかと、この部屋でお茶を飲みながら生まれたアイデアだったのではないだろうか、そんな印象がありました。(余談ですが、この部屋でいただいたお菓子は美味しすぎました)
どんな関わりがあれば組織に意味のある変容を起こせるのか。
そんなところから考えることもできるかもしれません。
一緒によりよい組織への道を探究していきましょう。
ご関心のある方は一度ご相談ください。
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