「カオスを超えて、本質へ」
ウエイクアップ組織変容®コーチの
小西勝巳です。
今回は組織変容®コーチとして、
職場の会議・打ち合わせで使えるtipsを
書いてみたいと思います。それが
「まずはホワイトボードの横に立とう」
ということです。
4月や7月は人事異動のタイミング。
新たにリーダー的な役割を担うことに
なった方もいらっしゃると思います。
そんな方の悩みの一つに、
方針のすり合わせや各種交渉、調整
などの会議・打ち合わせの場の仕切り、
があると思います。
リーダー的な役割の方以外にとっても、
多様な意見が出る場の仕切りは、
本当に悩ましいものです。
リーダーや担当者一人が強引に決めて
しまうとメンバーに不満が残るし、
かといって「傾聴地蔵」のように
なってしまうと場が迷走してしまい、
下手をすると声の大きな人の意見に
引っ張られ、あらぬ方向に行ってしまう…
ということも起きかねません。
だからこそ、会議・打ち合わせの際は、
多少怖くてもまずはホワイトボードの
横に立とう、とオススメしたいのです。
まず立つ。そうすると自然と
ホワイトボードを使うようになります。
リーダーや会議・打ち合わせの主催者
として、自分自身の意見や方向性の
案はもちろん必要ですが、その上で
多様な声を拾い擦り合わせていく際に、
とても役に立ちます。
では、ホワイトボードの横に立ち、
場の声を拾っていくことには
どんな効果があるのでしょうか?
大きくは次の3つがあると思います。
1)「人」と「意見」を切り離せる
ホワイトボードを使わず話すだけで
やっていると「人と意見が一体化」
しがちで、その意見に何か言う時も
その人の顔色が気になります。
ホワイトボードに「意見」だけを
切り離して書くことで、それを
ニュートラルに扱うことができるように
なります。
声の大きな人の意見も、
声の小さな人の意見も、フラットに。
また、「人」と「意見」を切り離すことの
副次的効果として、その意見を出して
くれた「人」の背景・想いにも純粋に
好奇心を向けやすくなります。
2)場全体の声が全員に見えてくる
対面なのに参加者全員がノートPCと
睨めっこ……だと議論が
積み上がらなかったり、空中戦になって
噛み合わなかったり、ということが
起きがちです。
全員で同じホワイトボードを見ながら
話すことで、共通認識を持ちやすく
相違点や論点のずれなどにも
気づきやすくなります。
3)大事な点や「空白」も見えてくる
1)、2)が積み重なってくると
全体として意見が重なってくるところや、
逆に考慮できていなかった「空白」にも
気づきやすくなり、議論が自然と
深まっていきます。
ホワイトボードを効果的に使うため、
私が特に気をつけているのは以下の
ポイントです。
1)発言者のキーワードは極力そのまま
キーワードは極力、こちらで変更したり
解釈したりせずその言葉のまま書きます。
それは発言者に対するリスペクトです。
発言者としては
「ちゃんと聴いてもらえている」
という安心感、更にはより積極的な発言
にも繋がります。
2)綺麗に整理しすぎない
ホワイトボードに書く側で勝手に整理して
綺麗にしすぎない、というのも大事な
ポイントです。
書く側が「整理しよう」と考えすぎると、
結局、書く側が都合のいいように
議論を誘導しているようなインパクトが
場に伝わってしまいます。
自然と何かが浮かび上がってくることを
信じニュートラルに声を拾っていきます。
3)キーワードをハイライト
十分に声が出てきたら、改めて
ホワイトボード全体を見渡して、何回も
出てきたキーワードに下線を引いたり、
丸で囲んだり、ハイライトしていきます。
そして関連しそうなものを線で結んだり、
対比させてみたりするのも効果的です。
そうすることで、場の声の構造が見えてきます。
こういうことをやっていくと、
なんとなく場の空気感が変わってきます。
「全体としてどんな意見が出ているのか、
どんな方向が見えてきているのか」が
浮かび上がってくる感じです。
会議・打ち合わせの収束もしやすくなります。
まずはホワイトボードの横に立つ。
そして場の声を拾っていく。
はじめはちょっと怖いかもしれませんが、
シンプルなことなので、ぜひ試してみてください。
何回もやっていくと、会議・打ち合わせの
場やチームに関わるための感覚が掴めて
くると思います。
それは私たち組織変容®コーチが鍛えて
いる「目に見えない関係性」を扱う感覚
でもあります。
そしてもっと極めたいと思ったら、
「グラフィック・レコーディング」や
「グラフィック・ファシリテーション」で
ネット検索してみたり、
例えばこんな本も参考になると思います。
参考図書:『場から未来を描き出す』
(ケルビー・バード著/英治出版)
より良い会議・打ち合わせの場、そして
より良いチーム・組織を作っていくため
に、私たち組織変容®コーチは皆さんを
全力でサポートします。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
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