ウエイクアップの山田希です。
先日、弊社で名刺デザインがリニューアル
されました。
わたしの名刺は紫陽花のような色で
とてもカラフルです。
ニックネームで呼び合う弊社らしく、
一番目立つ場所にニックネームを
入れられる書式になっていたのですが、
さすがに私の役割は堅い職業の方々と
お付き合いのあるCFO。特に悩みもせず、
ニックネームなぞあり得ないと、
本名にしました。
しかし出来上がって手渡された後、
そこに「のぞみーる」という
ニックネームを入れていたら
どうなっていただろう・・・と
なぜか今頃になって心揺れる今日です。
会社、組織、社会といった環境の中で、
私たちは様々な役割を引き受けて生きています。
私も取締役を拝命して早4年目に入りましたが、
法的にも社会的にも
一定の責任を問われる役割である以上、
引き受ける際にはそれなりに
心の準備が必要でした。
しかしすべての役割を心から望んで、
準備期間もあって引き受けている
場合ばかりではありません。時として
「なぜ自分がこんな役割を引き受ける
羽目になったのだ」と
思うようなことが起こります。
そして役割を引き受けた後も
「なぜこの問題を前任者は
解決しておいてくれなかったんだ」
「なんで他の人のところに
行ってくれなかったんだ。
なぜ自分が担当したときに
この問題が起きてしまったんだ」
と思うようなことが起こったりします。
映画「ロード・オブ・ザ・リング」で
主人公のフロドは行きがかり上、
魔法の指輪を消滅させるという重大な
役割を引き受けるのですが、
思わず弱音を漏らす瞬間があります。
「なぜこんなことになったのか。指輪が
自分の元に来なきゃよかったのに」と。
これに対して、魔法使いで老賢人の
ガンダルフはこう答えます。
「誰もがそう願うだろうが、それは
自分では決められないこと。
自分が決めるべきは、与えられた時を
どう生きるかということだけだ。」
春から数か月経ち、新しい役割が
思いのほか自分には見合わない
サイズや大きさだったのではないかと
感じている方もいらっしゃるでしょうか。
役割がずっしりと重く感じたときは、
わたしはガンダルフの言葉を
思い出すようにしています。
実際のところ、これほど
達観できたことは一度もありませんが、
意識が今と未来に向き、
「さて、どうするか」と次の一歩を
考える支えになってくれるのです。
そろそろ梅雨の始まりの
空模様を見ながら、
雨を待つカタツムリのごとく、
じっと次の一歩を考える6月です。