ウエイクアップ/CTIジャパンの
原口裕美(ひろ)です。
このメルマガが配信される頃は、
桜が咲いているでしょうか。
「すべてのものは2度つくられる」
この言葉に、最近改めて触れる機会がありました。
理想の製品が完成した時、
新しい機能が実現した時、
願った未来が現われる時etc…
それは実際には、
2度目のクリエーションであるというお話です。
では1度目のクリエーションとは何か。
それは、こうだったらいい、
こうあってほしい、を思うことです。
小さな不満や不便、
残念さから始まるものかもしれません。
ふと、何かに憧れ、
夢を見る瞬間かもしれません。
今年の冬、わが家では、
子どもの高校受験がありました。
それまでには、いくつもの学校を回り、
たくさんの情報に触れました。
そうした中で、ある時
「ああ、この子は本当にこの高校に行きたいのだな」
と感じる瞬間がありました。
その高校の情報に触れる時の
熱量や雰囲気がまるで違うのです。
しかし、それまでその学校が志望校であるということが
本人からはっきりと語られることはありませんでした。
届くはずがない、と思っていたのかもしれません。
彼の1度目のクリエーションは、こうして
無かったことにされようとしていました。
コーチングの場面でも、また、
私自身のことを思い出しても、
この1度目のクリエーションには、
立ちはだかる壁があると感じています。
自分がどんな未来を望むのか、
何を願っているのか、
それに思いを馳せること、
ありありと描いてみることが
難しい時があるのです。
まるで危険だ、とでもいうかのように
そのことからスルリと逃げていく方も
いらっしゃいます。
もちろん、本当にまったく想像ができない
ということもあるでしょう。
夢をみても無駄だ、叶わない事実が
突きつけられるのが怖い、と
無意識に避けているのかもしれません。
いろいろあるのでしょうが、
私は、夢を見ること、
ビジョンを描くことを阻む最大のものに
慣れ親しんだ今この現実から
押し出されてしまう怖さがある
と感じています。
心からの夢を受け入れた瞬間、
今ここには留めおかない引力が働くものです。
「本当はこの高校に行きたいと
思っているんじゃないの。
目指していいんだよ」そんな投げかけから
息子は大きな変化を遂げました。
まるで的に向かって
矢が解き放たれたかのようでした。
夢を見ることのパワフルさです。
息子には、中学時代夢中になってきた
卓球の強豪校で
仲間と共にプレーをしたい、
そういう高校時代を送りたい
という夢がありました。
そこにまっすぐになった時、ぐんと
大きな成長・変化を遂げていったのです。
夢を見ることの2つ目の力は、
夢を追うプロセスそのものが
濃密になることです。
ここには、フルフィルメントがあります。
楽ではなくとも、人を輝かせるー。
ダイヤの原石が磨かれるようなプロセスです。
ある人が、私にこんなことを語ってくれました。
「自分の夢を描き、
それを生き始めなければ、
誰かが描いた夢のキャストになる」
4月。ここから新年度が始まりますね。
少し立ち止まって、
手帳を眺めてみてください。
そこに書き出されたすべての予定をクリアした先に、
あなたの夢が見えますか?
私たちは目の前のタスクを終えていくことに
慣れすぎています。
予定を消し込むことに慣れた脳の回路が
まだ見ぬ未来を描くことは容易ではないでしょう。
筋トレのようなものです。
自分の人生を、
自分のものとして生きたいと願うなら
主体性の感じられない部下に頭を悩ませているなら
なかなか勉強を始めない子どもへの対応に
迷っているなら
自分に、相手に、どんな夢があるのか
まず、そこに耳を傾けてみませんか。
皆さまの新しい一年が、
フルフィルメントなものに
なっていくことを心から願っています。