「認知」の力

ウエイクアップの上田晶子(あっちゃん)です。

先日、6歳の長男の卒園式に参列しました。

春のやわらかな光が降り注ぐホールで
子どもたちの入場を待つ中、
優しいピアノの伴奏が流れ始めました。

今日は思い出深い1日になるだろうな、
ティッシュとハンカチは必須だな、
と思ってはいたのですが、
一人目の子の入場が始まった瞬間に、
私の涙腺は見事に崩壊しました。

担任の先生にお名前を呼ばれて
「はい!」とお返事をした後、
ステージに上がってゆく時に、
先生がその子の自分らしさ、すばらしさを
言葉にして伝えてくださったのです。

たったの10秒ほどのメッセージ。

子どもたち一人ひとりに向けての
短くシンプルなその言葉たちから、
先生方が子どもたちそれぞれを
唯一無二の大切な存在として
あたたかなまなざしで
見守ってくださっていたことが
まっすぐに伝わってきました。

長男へのメッセージは、

「けやきのムードメーカーで人気者の○○くん。
色々な遊びを発展させてゆく姿に
いつも驚かされていました。」

彼の存在のすばらしさ。ユニークさ。
その彼が周囲にもたらしているもの。
それを見事に
言葉にしてくださっていました。

コーアクティブ・コーチングには、
たくさんのスキルがあります。

その中の一つでとてもパワフルなのが
「認知」のスキルです。

英語では「Acknowledgement」。

コーアクティブ・コーチングのすべてのスキルは
“相手にもたらす影響/インパクト”に
名前をつけたものです。

先生方の言葉からは、まさに
「認知」のインパクトが伝わってきました。

ああ、自分らしさってこうなんだ。
自分はこんな存在なんだ。
この自分でこの先も歩んでゆこう。
I am proud of myself.

胸を張り、凛と前を見て、
メッセージを受け取る。
子どもたちのそんな姿を見ました。

認知のスキルの持つパワフルさ。
それは、

その人ができていること(Doing)ではなく、
その人そのもの(Being)に
焦点が当たっているところです。

褒める(Praise)は、Doingに焦点を当て、
できていることやできた結果を讃える行為。

対して「認知」は、その人そのものに
まなざしを向けるからこそ、
そして、そこから伝わってくる、
あなたそのものの姿をあなたに伝えたい、
という思いが湧いてくるからこそ
言葉として紡がれ届いてゆくものです。

故に「認知」は、受け取った側の心の中に
ずっと残り続け、力になってゆく。
そんなパワーがあります。

園で過ごした日々を完了し、
さらに多様な世界に向けて
羽ばたいてゆく27人の子どもたちが、
そして、この春、
それぞれの場所を完了し、
次の旅路を歩んでゆくすべての人たちが、
誰よりも、何よりも、自分としてある
未来を応援しています。

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