一緒に仕事をしている仲間のことは、実はほとんど知らない

ウエイクアップの組織変容コーチ、
番野智行です。

「私、この仕事をやるために
転職してきたんじゃないんですよね…」

これは、私が関わっていた組織の
とあるメンバーから
一緒に出張に行った帰りの飛行機で
ふと打ち明けられた言葉です。

10年ほど前の出来事なのですが、
「えええええー、そうだったんですね…」と、
声に出して驚いたことが
今でも鮮明に記憶に残っています。

経験や経歴からするとピッタリの仕事を
しているように私には見えていました。
私だけでなく、その方の上司や
チームメンバーもそうだったと思います。

話はさらに続きます。

「これまでやったことがない仕事に
チャレンジしたくて
転職してきたんですけどね…」

私の驚きは「納得」「申し訳なさ」
という感情に変わりました。
私は過去の経歴から、その方のことを
勝手に判断していたのです。

同時に、私自身が普段
一緒に仕事をしているメンバーのことを
全く知らないのではないか、
それどころか誤解しているのではないか
と、背筋が寒くなりました。

ちょうどコーチングを学び始めたころで、
「人」に焦点を十分に当てず、
「事柄」だけを見ていた自分に
改めて気づく瞬間でもありました。

この経験から、私は
一緒に働くメンバーの本当の声に
耳を傾けるようにしました。

  • どんな思いを持ってこの仕事をしているのか
  • どんな時にやりがいを感じるのか/感じないのか
  • どんな価値観を大切にしているのか

など。

もちろん、
経験や能力をベースに仕事を割り当て、
一定の成果を出してもらうことは
組織には必要な論理です。

問題は、その論理だけだと代償として、
その人が本来持つ情熱や
クリエイティビティが損なわれる
可能性があるということ。

さらに今の時代は、
より適した環境を求めて
転職を選択することも容易です。
特に若手ほど。
結局は組織にとっても痛手となります。

■組織の仕組みへの展開

加えて組織に提案したのが、
毎年のキャリア面談の改革です。

従来は、上長や組織が与えた役割や、
設定した目標に対する
達成度合いの振り返りとそれを踏まえた
次年度の目標や役割について話す
という一般的な内容でした。

それを、より人に焦点を当てるようにし、
例えば以下のような質問項目を設定しました。

  • この1年間で貢献できた/できなかったと思っていること
  • この1年間で情熱を持ってできた/できなかった仕事
  • この1年間で学んだこと
  • 現時点で考える中長期のキャリアビジョン
  • 次年度はどんな1年にしたいか
  • (あれば)次年度担当したい業務・役割/手放したい業務・役割
  • 次年度のチャレンジポイント/欲しいサポート

同時に
Co-Activeコーチング®の基礎コースを
多くのメンバーに受講してもらいました。

さらには、
この内容を上司部下だけでなく、
チームメンバー同士でも共有し、
対話するようにもしました。

結構踏み込んだ取り組みに思われる
かもしれませんが、
こうしたことをお互いに知らないままに
一緒に仕事をする代償の方が
大きいと考えたのです。

最初は多少の戸惑いもありましたが、
良い変化がたくさん生まれました。

例えば、
ある人が実はあまりやりたくない仕事が、
別の人にとって
やりたい仕事であることが判明し、
役割の交換が起きました。

誰もやりたくない仕事を
引き受けてくれていたメンバーへの
感謝が生まれ、
時間をかけて代役を探し、1年後に
引き継ぎができたケースもあります。

その結果、数年かけて、それぞれが
やりたい仕事ができるようになり
個人のエンゲージメントも
パフォーマンスも徐々に高まりました。

「皆がやりたいことを
好き勝手にしたら組織は破綻する。
それでも、それができるように
皆で調整・協力しよう」
という声が出たのも
うれしい本質的変化でした。

いかがでしょうか。

前半のエピソードのようなことは、
大なり小なり多くの組織で起きており、
こうしたプロセスからご支援させて
いただくことも最近増えています。

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