「カオスを超えて、本質へ」
ウエイクアップの小西勝巳です。
私は元々宇宙好きで(笑)、
コーチングのセッションでも時々、
「もし、別の宇宙に
自分の分身がいるとしたら?」
というような問いで
対話することもあります。
宇宙関連の本が何冊も部屋に転がって
いるので、娘たちから
「お父さん、大丈夫?」
と心配されることも(^^;)
もちろん、大丈夫!
そんな私が参画している弊社の
研究開発プロジェクト、宇宙意識「 」
(注:「」の中はあえて真空…空白に
しています)で、2/28(水)に
対談イベントを実施しました。
コーチングで扱う私たちの
「意識」の進化を探求する中から
生まれた企画です。
テーマは、
『宇宙』×『進化思考』
~未知なるものを想像/創造するチカラ~
と題して、2人のゲスト
・縣 秀彦(あがた ひでひこ)氏
自然科学研究機構 国立天文台准教授
・太刀川 英輔(たちかわ えいすけ)氏
デザインストラテジスト
NOSIGNER代表
をお招きして、ウエイクアップからは
山田博と私(小西勝巳)の4名で実施
しました。
縣さんとは、私がウエイクアップに
参画した2019年から、
国立天文台にお邪魔して
ディスカッションさせていただいたり、
弊社で何回かご講演いただいたり
しています。
太刀川さんとは私が前職在籍時の
2013年頃にデザイン思考や
イノベーションを模索する中で知り合い、
最近では弊社CTI JAPAN(そして、
現在進行中のウエイクアップも)の
リブランディングをお願いしています。
そんなお二人と対談できたら、きっと
面白いだろうと無理を承知で打診して
みたところ……なんとお二人も以前から
親しく交流されていたということ!
不思議なご縁に感謝しつつ、
イベント当日はフランクな雰囲気で
実施できました。
■対談のポイント
当日は、まず縣さんのMitaka実演による
「宇宙旅行」に続き、お二人のミニ講演
からスタートしました。
(参考)
4次元デジタル宇宙ビューワー Mitaka
そして、太刀川さんが『進化思考』で
提唱されている
1)『適応進化のループ』
(偶然性:変異⇒多様性⇒必然性:
選択⇒適応のループ)と
2)『時空間マップ』
(内部―外部と過去―未来の2軸/
四象限からなるフレームワーク)
をベースに、対話が繰り広げられました。
私なりに再構成してみると……
・『時空間マップ』を、
内部⇒過去⇒外部⇒未来というサイクル
で考えると科学の発展の流れとも
共通している。
内部の視点と外部の視点は対立する
ことがあるが、過去:分類や歴史の視点
を挟むことで昇華されることが多い。
天文学もまさにその流れ。
かつては宇宙=太陽系だったが、
辻褄が合わなくなり太陽系の外部を
調べるようになった。そしてその外部も
内部として取り込んだ新しい考え方が
生まれ、さらに未知な領域が出てきて
次の外部を探る…というサイクルを
繰り返してきた。
その間、400-500年ほど。
そして今では、138億年前に誕生した
私たちが住む「この宇宙」の外も含めた
マルチバース宇宙論が議論されたり、
地球外生命体が探索されたりしている。
・進化論については
もっとそのスパンは短く160年ほど。
現生人類史を20万年とすると
わずか0.1%ほどの時間で、
38億年前の生命誕生から現代に至る
生物進化の系統・道筋が見えてきた。
・こういう中で、生物としての人類は
変わっていないが、思考は変わってきている。
科学の知見が人間の意識/思考レベルの
変化に影響するにはある程度時間がかかる
が、確実に変わってきている。
・そして今、地球内部だけ見ていると、
紛争や奪い合い、結果として環境破壊
などに繋がってしまっている。
地球以外の外部を見ることで、未来/
本質がもっと見えてくるのではないか。
・これからの勝負は、この地球を
大事にしたい/持続可能にしたいという
欲求を持てるかにかかっている。
残念ながら生物的な人類の身体的要求
からは、そのような欲求は生まれない。
地球を大事にすることがかっこいい、
モテる、お腹いっぱい……という具合に
身体的要求と繋がる欲求に変換する
創造性が必要だと思う。
・今、時代の方向性としてはどうしても
近視眼的/自分の近いところを大事に
する方向になっているが、若い世代では
変化も見られる。
パラダイムは変えられるはず。
天文学や進化論の知見で
ここ200年ほどの間に変わってきた
という事実もある。
・変化のきっかけになると思うのは、
Awe(畏敬の念)の感情。
コーチングやデザイン、創造の中でも
「あ〜」とか「お〜」としか言えない
瞬間があるはず。
Wonder(不思議、驚き)を超えた感情。
今、このAweという感情を
忘れがちな気がする。
・このAweの感情を最も強く感じたと
言われている人たちが、1960年代に
米国アポロ計画によって、
月面から地球を見た宇宙飛行士12人。
そして当時、人類の何億人もが
月面の向こうに浮かぶ地球の写真を見た。
1972年にはアポロミッションの最後、
17号が初めて丸い地球、
「ブルーマーブル」と呼ばれる写真を
撮影して世界中の人々が丸い地球を
宇宙から見る視点を獲得した。
かつて月面を歩いた宇宙飛行士たちが
抱いた「この、か弱く儚い地球を
大事にしたい」という思いを
多くの人で共有できるようになった。
科学者でなく一般の人もその視点から
発想できるようになった。
それは1960年代の
ヒッピームーブメントや(CTIの
源流の一つでもある)人間性回復運動、
さらには「宇宙船地球号」という
考え方や1972年のローマ・クラブによる
「成長の限界」の警鐘とも繋がった。
・そして今後、民間人も宇宙に行ける
時代になってくる。
宇宙から地球を見ることが
意識を変えていく改革のきっかけになる。
地球外生命体の発見も
大きなインパクトになるはず。
・さらにAIの進化もある。
今後、犬やイルカなど他の生物の
「環世界(ウンベルト)」をAIが
翻訳できるようになるのではないか。
人類が対話できる幅が
人類を超えて広がり、より幅広い視点を
持てるようになる。
宇宙からの遠くの視点に加えて、
近くでも横の視点/違う視点からの
気づきは、可能性の塊だと思う。
・環境変化の中で創造性を発揮するには、
個人でも集団でも「なんとかしたい」
という強い意志を持つことが必要。
それが(『適応進化ループ』の右側)
環境への必然からくるシャープな
選択圧に繋がる。
同時に、真面目すぎるのもよくない。
最近、何か真面目すぎる傾向があるのでは?
(『適応進化ループ』の左側)
偶然に自らを開き、言い間違いも含めて
変異によって
多様なアイデアを出すことも大事。
漫才はボケとツッコミがあるからこそ
面白いのと同じ。両方が必要。
……などなどです。
とてもここには書き切れない内容なので、
ぜひ動画もご覧いただければと思います。
個人的なtake awayとしては……
色々あるのですが、大きなところは
以下のとおりです。
1)完璧な進化がないのと同様に、
何事もわかったつもりにならず常に
未知のものに対する好奇心を開いておく
2)そして縣さんや太刀川さんとも
今後もコラボしながら、全ての人と
組織に創造性があると信じて関わる
ウエイクアップのコーチングを、
今、この時代だからこそ広く
届けていきたいという思いが強くなった
3)さらに、AIが「知能」だけでなく
「意識」を持つのではないか?と
言われ始めている中、「意識」について
引き続き探求していきたい
当日ご視聴いただいた皆様、改めて
ありがとうございました!
引き続き一緒に探求していきましょう!
※詳細な様子を当日の流れのまま文字としてnoteにアップしました。
動画を見るより文字で読みたいという方は、
そちらをお読みください。