もう一つのダイバーシティ

ウエイクアップの上田晶子(あっちゃん)です。

コーアクティブ・コーチングでは、
コーチは、人そのものに好奇心を向けながら、
さらに、3つの方向性のいずれかに焦点を当て、
対話を進めていきます。

それら3つの方向性は、
すべての人が人として根源的に持っている
3つの願いに通ずるものです。

3つの願いの一つは、

『自分が大切にしたいものを
 大事にして生きながら、
 誰でもない、自分としてありたい』

という願いです。

人が、自分自身としてあり、
自分にとって大切なことを指針にして
選択し、行動する時、
生きている実感を感じるのはもちろんのこと、
その人のその姿は、自分以上の人や世界に
ならではの影響を創り出します。

だからこそ、コーチは、目の前の人が、
何を大事にしたいと願っているのか、
どんな自分でありたいと願っているのかに
好奇心を向け、人がその願いに気づくこと、
その先に、気づくからこそ、
その願いを指針に生きることを後押しします。

先日、私自身が、自分が大切にしたいものを
大事にして選択をしたと実感したことがありました。

以前一緒に仕事をさせていただいていた
経営者の方から、10年以上振りに
仕事のご相談をいただきました。

大変な状況の中で、
私を頼りにしてくださっている。
私に何かできることはあるだろうか。
私なりのベストを尽くして応援したい。

そんな思いと共に、
私の中で一つの問いが浮かびました。

それは、

「真に誠実であるとはどういうことか?」

という問いです。

1週間、何度もこの問いを自分に向けた結果、
仕事の依頼をお断りし、
信頼できる知人を紹介させていただく
提案をすることを選択しました。

この選択をするまでに、
相手をがっかりさせてしまうんじゃないか、
信頼関係を失ってしまうんじゃないか、
等々、いろいろ思うことはありましたが、
選択した後は、自分の価値観を指針にして
選択したのだという、
くっきりとした感覚がありました。

人は誰もが、自分が大事にしていたい
「価値観」を持っています。

たとえば私には、

「ベストを尽くす」
「誠実である」

という価値観があります。

ベストを尽くすことを大事にする私には
どんな状況であっても、
目的や変化にコミットしたい、
私にできうる限りのことをやっていたい、
という思いがあります。

一方で、
誠実であることを大事にする私には、
その価値観からの問いがまっすぐにやってきます。

“今、この仕事に私は本当にコミットできるのか?”
“短期的な何かのためではなく、この仕事にまつわる
人や組織の本質的な変化のために、
自分をフルに使うことができるのか?”
“私は今、自分をどこに向けて、
何のために使っていたのか?”
“相手にも自分にも誠実であるとはどういうことか?”

こうしてメルマガを書いている今、
それぞれの価値観が自分に与える影響もまた、
それぞれなのだと気がつきます。

私にとって、
「ベストを尽くす」という価値観は、
前に進むエネルギーを呼び起こす力があり、
「誠実である」という価値観は、
今ここに立ち止まらせ、必要な問いを与えてくれます。

エネルギー感の違う、
一見するとお互いに引き合うような
パラダイムが同時に存在しています。

人は、自分の中に複数の価値観を内包する
多様性に満ちた存在であり、それらの全てが
その人をその人たらしめています。

コーアクティブ・コーチングを学び
実践し続ける道のりは、
一人ひとりが宇宙のごとく、
いかに多様性に満ちていて、全体性を持った
存在なのかに出会い続ける旅路でもあります。

今日、あなたは、
どんな価値観を大事にしたいですか?

その価値観は、
あなたのどんな願いにつながっていますか?

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