ウエイクアップ組織変容®コーチの
小西勝巳です。
お客さまの組織変容のご支援をする際、
よくテーマに上がるものの1つが
「組織文化」改革です。
(ウエイクアップでは、外から変える
という印象が強い『改革』よりも
内から変わることを重視して『変容』
という言葉を使っています)
「切れ味鋭い/魅力的な事業戦略が
できれば、文化や風土、さらに
組織メンバーのエンゲージメントは
後からついてくる」
というのもまた真実だと思いますが、
「文化は戦略に勝る
(Culture eats strategy for breakfast)」
(ピーター・ドラッカー)
という言葉もあるとおり、一筋縄では
いかないものです。
■組織文化とは?
「組織文化」は目に見えにくく、わかり
にくいため、弊社でサポートさせて
いただく際には、考えるための補助線
として次の3つのレベルをお伝えしています。
これは組織心理学の創始者で、
約1年前に逝去された
エドガー・H・シャイン博士の提唱された
3つのレベルです。
『企業文化 生き残りの指針』(白桃書房)
も参考に挙げてみると、次のとおりです。
1)文物(人工物)
目に見えやすい、表層のレベル。
オフィスのレイアウトやメンバーの服装、
さらに組織構造や業務手順なども含みます。
2)標榜されている価値観
戦略、目標、MVV(ミッション、
ビジョン、バリュー)や最近では
パーパスなどもこのレベルに相当します。
3)背後に潜む基本的仮定
メンバーが無意識に抱いている当たり前
の信念、認識、思考および感情。価値観や
行動の源泉となる、本音に近いレベル。
普段は意識されることがなくても、
前提となってしまっている仮定。
思い込み、でもあります。
組織メンバーにとっては当然と思われる
ようになってしまっているため、
重要さを見逃しがちです。
■組織文化を変える難しさ
組織文化を変える難しさは、この
第3のレベルまで注目しないと
組織文化を本当に理解したことには
ならず、この最深部まで変わらないと
組織文化は変わらない、という点です。
よくあるのは、2)レベルで
「こんな戦略で行こう」
「こんな組織風土に変えよう」と
標榜はするものの、1)レベルや
3)レベルへの働きかけが足りず、
1)~2)~3)レベルの一貫性がない
ために、2)レベルで標榜したものが
「絵に描いた餅」になってしまう、
まさに「文化が戦略に勝」ってしまう
例です。
また、こんな例もあります。
1)レベルで、例えばせっかく綺麗な
オフィスに改装したり、組織構造を
見直したりしても、2)レベルの
打ち出しが弱かったり、
3)レベルまでの働きかけが弱い
ために、眼に見える変化があっても、
ちょっとした変化で止まってしまう、
そしてすぐに見慣れた景色に色褪せて
しまう、といった例です。
■ではどうやって?
組織メンバーにとっては当然のように
なっていて自覚することがかなり難しい
この3)レベルをどうやって自覚し、
そしてそこに働きかけていけば
いいのでしょうか?
そのヒントとなるのは、
「そうは言ってもどうせ……」に続く
言葉を考えてみることです。
例えば……
「綺麗な戦略を掲げても、どうせお題目
……今期の売上や利益ばかりで詰め
られるんだろう」
「主体的に考えろ、と言われるが……
どうせ考えて提案しても却下されて
指示命令されるんだろう
(そもそも『主体的に考えろ』が命令だし)」
といった具合です。
「そうは言ってもどうせ……」に続く
言葉が具体的に思い浮かび、ひきつった
笑いが出たり、何かいやーな感じが
したらしめたもの。
3)レベルの本質に近づいている証拠です。
私たち組織変容コーチがサポートさせて
いただく際には、
・Co-Activeコーチング®の
「聴く力」を活かした組織メンバーの
「本音」のヒアリング
・システムコーチング®や対話型の
ワークショプ
などを通して、
「そうは言ってもどうせ……」に続く
言葉を探り、その可視化と
それに対する働きかけを行っていきます。
そして2)で標榜した
戦略や価値観、目標などに向けて、
1)~2)~3)レベルの一貫性を高め、
組織が変容していくことに伴走していきます。
あなたの組織の
「そうは言ってもどうせ……」に
続く言葉は、どんな言葉ですか?
一緒に考えてみませんか?
※組織変容®は、
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