「願い」と「エゴ」と

ウエイクアップの植田裕子です。

CTIジャパンで上級コース関連の
トレーナーと企業内でのトレーニング
プログラムのトレーナーをしています。

5月に母と母の妹(叔母)、
母の妹の娘(従姉妹)と私の4人で
母の実家のお墓参りで京都に行きました。

親子2ペアの女4人の旅行は初めてでしたが、
気楽で楽しい旅でした。

90歳近い母は年々歩ける距離が少なくなり
私は折り畳み椅子を担いで、いつでも
足が痛くなったら座れるように準備して
一緒に行動していました。
去年は2回休んで歩けた距離が、今年は
4、5回休まないと歩けなくなっている事実に、
切ない気持ちを抱きながら。

最終日、南禅寺を訪れ
三門に登る急な階段を登る
と言った母に喜び、
石川五右衛門が「絶景かな」と言った
という景色を堪能した後でした。

南禅寺の奥の方にある石に座っていた母が
私が買ってきた御朱印帳袋を見て
「私も欲しい」というので、
「すぐそこだよ。一緒に行こう!」と
100mくらい先の売店まで
連れて行こうとしました。

でも、母は疲れたのか
「やっぱりもういいわ」
と動く気がありません。

私はもう一度、母に
「すぐそこだから行こうよ。100mもないよ」
と言うと、一緒に休んでいた叔母が

「ゆうこちゃん、お母さんがいいって
言ってるんだから、いいのよ。」
と優しく私に言いました。

その瞬間、私は
雷に打たれたような感覚になりました。

私の中では
・御朱印帳袋は自分で選びたいだろうから
・あと100mもないんだから
・ここまで来ているのにもったいない
と良かれと思って母に声をかけていました。

でも叔母の一言で、それはまさに私の
「良かれと思って」であって、
母にとっては望んでいないことだったのです。

関係が近くなればなるほど
自己管理って難しいですよね。
それは自分の中の相手への「願い」が
強くなってしまうからです。
「こうして欲しい」
「こうなってほしい」

この思いが生まれた瞬間は純粋な「願い」
であったものが、いつの間にか
「エゴ」に変わってしまっています。
問題なのは、なかなかそのことに
気づくことができないということです。

今回のように
第三者にフィードバックをもらえると
気づくことができますが、
自分と相手だけだと
なかなかこの状況から抜け出せません。

これからも普段は
母と私だけの状況が続きます。
どうしたら同じことをできるだけ
繰り返さずにいられるかを考えました。

私の「願い」を伝えた時に、あらためて
「母がどうしたいか」に耳を傾ける
ことにしました。
自分の中には答えはないですものね。
レベル2、3の傾聴
と言えばそれまでですが、
日常で使いこなすのは本当に難易度が高い
と思い知った出来事でした。

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