ちがう、ちがう、そうじゃ、そうじゃない(鈴木雅之♬)

ウエクアップの伊藤貴子です。

CTIジャパンで、コアコースや上級コース
(Professional Co-Active Coach
Certification Program)のトレーナーを
しています。

上級コースのトレーナーをしていると、
コーチングを聞いたり、受講者から
コーチングを受ける機会が多くあります。

最近、思わず
「ちがう、ちがう、そうじゃ、そうじゃない」
(鈴木雅之♬)
って思うことがあるんだよねと、
ちょっと毒づきながらも熱く
あるファカルティと話したことを
書いてみたいと思います。

思いっきり、コーアクティブ・
コーチングのことなので、
あまり関心のない方、ごめんなさい!

コーアクティブ・コーチングには3つの指針
(フルフィルメント、バランス、プロセス)
と言う、人生の3つの側面を表わしている
ものがあります。
コーチングではこれら3つの指針を
入り口にすることで、人生の質を深めて
いくことにつながっているのですが、
その3つの指針の1つ
「フルフィルメント」についてです。

フルフィルメントは、直訳すると
「充実感」です。
「その人らしく生き生きとしていること」
という意味でもあります。

充実感や生き生きは、人によって様々です。
コーチであれば、そんなことは
わかっているよという声が聞こえて
きそうですが、
実際にコーチングでクライアントが、
ネガティブな状態であったり、
ネガティブなことを話していると、つい
“コーチが思う”ポジティブな状態に
クライアントがなるような関わり
を目にします。

例えば、
家族のことがテーマであったら、
「ご家族を大切に思っているんですよね」
「ご家族への愛を感じます」
「何の制限もないとしたら、どんな
 時間を過ごしたいですか?」

仕事のことがテーマであったら、
「仕事へ熱い思いがあるんですね」
「その仕事を大事にしたいと思いが
 あるんですね」
「仕事で楽しかった時とか充実感を
 感じて時を思い出してみましょう」

という反映であったり、
拡大質問であったり。

反映や拡大質問自体は間違っている
わけではないと思います。

クライアントはコーチにこう反映を
されたり、質問をされれば、
何かしら答えると思います。
そして、コーチングが終った時に、
もしかするとクライアントは
元気になっているかもしれないし、
自分にとって大切なことを思い出すかも
しれません。

でも、これって本当にクライアントが
話したいことなのか?
クライアントの主題を尊重しているのか?

私は、NOだと思っています。

クライアントは
リアルな日常を生きています。
その日常の中で、ポジティブであろうが、
ネガティブであろうが、
いろいろなことを感じて、経験をしながら
生きています。

そのリアルに感じていること、経験を
していることがその人がその人たる所以
であり、その人そのものなのだと思います。
だから、その人が感じていること、
経験していることを話すことは、
とても大切なことであり、
とても貴いことなんです。

だから、コーチングを通して、
クライアントをポジティブに
しようとしないで欲しい
と思います。

その代わりに、
目の前にいるクライアントが話している、
今この瞬間、何に憤りを感じ、
何に悲しみ、何に痛み、何に歓び、
何を感じているのか、想いを馳せてみる。
レベル3の傾聴をしてみてください。

クライアントにとっての真の「充実感」
「その人らしく生き生きとしている」
がきっと聴こえてきます。
そのことが語られたり、触れられたりする
魂のこもった、もしくは
魂が震えるようなコーチングを
して欲しいなと思っています。

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