ウエイクアップの上田晶子(あっちゃん)です。
子育てをしていて、日々、子どもたちとの
コミュニケーションの中で、
コーアクティブが息づいていて、
こんな風に表現され、現れてくるんだなと
後になって気がつくことが多くあります。
コーアクティブ・コーチングは
ライフスキルであり、人と共に
豊かに生きるための本質的な知恵。
だからこそ、コーチングの
パートナーシップだけに関わらず、
身近な人たちとの関係性の中でこそ、
実践してほしい、という思いで
コーチングコースのリードをしています。
今日は我が家での出来事のシェアをさせてください。
我が家では、夜、布団に入ってから、
5歳の長男と一緒にしていることがあります。
それは、
今日、楽しかったことや嬉しかったこと。
今日、悲しかったことや嫌だったこと。
この二つを、お互いに話す&聞く、
ということです。
以前、こんなことがありました。
今日楽しかったこと、嬉しかったことを
お互いに話した後、
じゃあ、今日何か悲しかったり嫌だったことはある?
と聞いてみました。
普段は、「うーんとー、ない!」
と答えることがほとんどなのですが、
その日は、言葉が出てくるまでに
しばしの沈黙がありました。
そして、彼が話し始めました。
「今日ね、○○君がぼくのズボンを脱がせたの。
それが悲しかった。」
彼の気持ちを思うと、私も胸がずきん、と
痛むことに気がつきながら、
そうか、そうだったんだね、
それは悲しかったね、と受けとめていると、
「1回だけじゃなくて、2回やったの。」
と言い、しくしく、と泣き始めました。
そうかあ、○○君が、1回だけじゃなくて、
2回やったのかあ。それは悲しかったよねえ、
と彼の背中をさする私。
その後も、しくしく、としばらく泣きづつけ、
その泣き方が、彼が一番悲しい時の泣き方で、
よほど悲しくショックだったんだろうなと思いつつ、
普段はひょうきんで明るい性格の子なので、
その出来事が起こった瞬間は、もしかしたら
彼の本来の気持ちとは違うインパクトとして
相手に伝わったのかもしれないな、と思いました。
しばらく泣き続けると落ち着いたようで、
泣き止んだ彼に、聞いてみました。
「ママ、ゆうすけに伝えたい大事なことが
あるんだけど、いいかな?」
「うん、いいよ。」
「○○君はさ、ゆうすけが嫌だな、って
思ってることを、分からなかったかもしれないよ。
分からなかったから2回やったのかもしれないよ。」
「ゆうすけのこころとからだは、
ゆうすけのものだよ。だから、
自分で大事にすることが大事だよ。」
「大事にするために、嫌だなって思ったときは、
嫌だからやめて、って言っていいんだよ。
そしたらお友達が、嫌なんだなってわかるよ。」
私の言葉を聞いた彼は、
あ、と何かに気がついた様子で、その後、
「うん、わかった!」
と答えました。
その言葉から、彼の持つ本来の
力強さのようなエネルギーを感じました。
その後、彼は
安心した表情で、眠りにつきました。
コーアクティブの人間観には、
「全ての人は、自ら自分の人生を
リードする力を持っている」
という前提があります。
そして、その力に意識的につながる
ためのツールとして、“内なるリーダー”
(Leader Within)というコンセプトがあります。
内なるリーダーには、
二つの本質的な資質があります。
・自己受容(Self-Acceptance)
・自己主導(Self-Authority)
彼との対話のプロセスを通して、
自分の大切な気持ちを受けとめ、
そこから彼の本来の力が立ち上がってくる。
そんな彼の中の内なるリーダーに、
確かに触れた感覚がありました。
みなさんの日常のささやかな瞬間に、
コーアクティブが息づき表現され、
それが、人が人と共に豊かに生きることに
つながってゆきますように。