NPOのリーダーが構造的に抱えやすい恐れ・葛藤

こんにちは、
組織変容コーチの番野智行です。

ウエイクアップでは、
協働コーチの皆さんの協力のもと、
NPOや社会的企業などの経営層にプロボノ(※)で
コーチングを提供しています。

※各分野の専門家が、職業上持っている
 知識やスキルを無償提供して
 社会貢献するボランティア活動全般

2022年度で3年目となったこの企画。
先日、振り返りの会があり、
そこで感じたことを今日は書いてみます。

それは、ソーシャルセクターのリーダーは、
ビジネスセクターのリーダーとは違う性質の葛藤を
抱えやすい構造にいるということです。

以下、私自身が過去に見聞きした
事例も踏まえて書いてみます。

前提として、創業者だけでなく他のメンバーも、
仕事へのモチベーションは非常に高いです。

他者への貢献意欲に加え、自分自身の思いの実現や
人生の充実(フルフィルメント)を重視し、
自ら選択している人が大半だからです。

お金を稼ぐのであれば
他の仕事の方が良いですしね。

一方で、思いだけでは健全に続けられない
難しさがあります。

1)過度な「まだまだ頑張らねばならぬ」

目標の達成に向けてストレッチすることは
ビジネスの世界にもありますし、
個人や組織の成長にとって必要なことです。

ただ、社会課題の解決という理想は、
あまりに目標として高い。
そのことに注意が必要です。

どれだけ取り組んで、成果をあげても
「まだまだ」という感覚に襲われ続けます。

「自分よりも大変な人がいるから、
 自分はもっと頑張らないと」という
気持ちになることも少なくありません。

寄付などで応援してくださる方が増えてきた中で
期待に応えないとという
過剰なプレッシャーを抱える人もいます。

その結果、リーダー自身や組織が
疲弊してしまいます。

2)強い思いがあるからこその感情的対立

思いが強いことは、別の副作用もあります。

意見や方針の違いが感情的な対立に
なりやすいということです。

たとえば、
「より困っている人を助ける」のか、
「より多くの人を助ける」のか。

単純な費用対効果の議論では決められません。
それぞれが自分の人生で何を大切にしたいのか、
価値観レベルの対話が必要です。

しかし、丁寧に対話する
「技術」「時間」「気持ちの余裕」、
どれも不足しているのが通常です。

やむなくどちらかに決めた結果、
痛みや感情的なしこりが残り、
最悪の場合は不本意な離職につながる
ケースもあります。

3)資金提供者に弱みを見せてはいけないという恐れ

無償のボランティアからなる組織は別として、
人を雇用している組織の場合、
しっかり運営費を稼いでいく必要もあります。

普通のビジネスと違い、受益者から
十分な売上を得られないことも多く、
寄付や助成金に頼らざるを得ないことも
少なくありません。

そうした時に、
資金提供者に弱みを見せられないという
プレッシャーに襲われ、そのことに
エネルギーを費やしてしまうことがあります。

「課題のない組織なんてないのだから、
 そこも含めて成長とチャレンジを
 応援しているよ!」

そんな支援者の方も増えてきてはいるのですが。

…以上になります。

私自身、書きながら
多くのリーダーの顔が浮かび、
少し胸が苦しくなりました。

同時に、いずれも内面的な課題であり、
コーチングが貢献できることが
たくさんあるということも確認できました。

同時に、リーダーだけが頑張るのではなく、
組織自体が変容していくことを支援する
ことも重要ですね。

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