「われ-なんじ」と「われ-それ」

こんにちは。
ウエイクアップの組織変容®コーチの
小西勝巳です。

気がつけば新年もあっという間に
約2週間が経ちました。改めて、
2023年もよろしくお願いします。

タイトルが、今年こそ「アレ」を目指す
プロ野球・阪神タイガースの岡田監督
語録のようになってしまいましたが(笑)
今回は昨年末に実施した
組織変容のセッションで感じたことを
書いてみます。

1)年末の組織変容セッションより

昨年12月に、複数企業で幹部チームを
対象とした組織変容のセッションを
お届けしました。

守秘義務の関係で詳細は記せませんが、
いずれもコーアクティブ・コーチング®や
システムコーチング®を活用した
セッションで、幹部の皆さんが各自の
想いを語り、お互いに聴き合うことで
深い繋がりが生まれ、チームとしての
一体感や使命感(最近の言葉だと、
パーパス)といったものが浮かび上がる
セッションでした。

これまでもこうした場に何回も立ち会って
来ましたが、徐々に対話が深まり
じわじわと熱量が上がってくる、あの
何とも表現し難い感覚は、
組織変容コーチ冥利に尽きます。

ではなぜこうした瞬間が生まれるのでしょうか。

2)「われ-なんじ」か、「われ-それ」か

宗教哲学者のマルティン・ブーバーは
『我と汝・対話』(岩波文庫)の中で、
人間が世界に対して取る2つの態度、
すなわち「われ-なんじ」と「われ-それ」
について語っています。

前者は関わる相手を自分と同じ
「人」として捉え、
その関係性の中に生きる一方、後者は
(人ではなく)「対象・事柄」と捉えて
それを経験しているだけであり
「経験にとどまっている間は人間は
世界に関与しない」とまで説きます。
(経験は自分の中だけで起き
世界と相互作用しない)

そして現代の様々な危機が、後者の
「われ-それ」の関わり方があまりにも
支配的になってしまったことが原因
ではないか、と問いかけています。

3)「われ-なんじ」を基盤に

ウエイクアップの組織変容セッションは、
この「われ-なんじ」のアプローチを
基盤にしています。

1対1のコーアクティブ・コーチングでも
組織・チームを対象にした
システムコーチングでも、
その根底にあるのは
「人」に焦点を当てた関わり方です。
その人やチームの課題・目標等の
「対象・事柄」ではなく、人そのもの。
ブーバーの言う「われ-なんじ」の
関わり方を基盤に全体を設計します。

そしてこの関わり方が違いを生み出し、
何とも表現し難い感覚、深い対話の場が
立ち現れてくるのです。

年末の組織変容のセッションも、まさに
「われ-なんじ」の関わり方でチームの
対話を行ったことで、チームの本質や
チームを持続的に突き動かす源が
明らかになり、深い一体感とチームへの
エンゲージメントが生まれました。

また別の企業の例ですが、部下や
プロジェクトメンバーを
「人」というよりも目標達成のための
「道具・材料」と捉えていた
(すなわち『われ-それ』の関わり方)
あるリーダーが、
コーアクティブ・コーチングをきっかけ
として、部下やプロジェクトメンバーも
自分と同じ「人」、夢や願い・悩みや
葛藤を抱えながら生きている存在だと
気づき、「われ-なんじ」の関わり方を
意識して行った結果、
疲弊していた組織が劇的に変わっていった
という事例もあります。

更に敷衍して考えると、「なんじ」を
人間だけでなく、動物・植物や自然の
事物、地球や宇宙空間まで拡張すると
(ブーバーも著作の中で問いかけています)
現在のSDGsや持続可能性の議論にも
重要な視点を与えてくれそうです。

組織変容についてもっと具体的に話を
聴いてみたい、自組織の課題や悩みを
まず聴いてほしい、そして
一緒に考えてほしいという方は、
お気軽に弊社までお問い合わせください。

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