ウエイクアップ組織変容®コーチの
木村史子です。
先日、ある企業(A社)でトップが自身の
ビジョンを語る場面に居合わせました。
「居合わせた」というなんとも
外様のような、自分自身が主人公ではなく
傍観者のような、そんな気持ちだった
のは確かなのですが、私自身、従業員
という立場ではないものの、その組織の
一員でもあり、その場に居合わせた
だけではなく、紛れもなく
A社のビジョンを世の中に創り出していく
仲間としてカウントされている一員である
ことに違いありません。
それでも、自分が提示されたビジョンに
コミットしないのはなぜなんだろうなぁ。
とぼんやりと考えていました。
そのトップは、自分のビジョンを頻繁に語り、
周りのメンバーをエンロール(参画に
巻き込む)している素晴らしい経営者です。
さらに、彼が素晴らしいのは、自社の
ビジョンを語る時に「これがA社です」
ではなく「これが私です」とそれが
個人のビジョンであることを明言すること。
そして、メンバーの個人ビジョンを
丁寧に聴き、そこから共有ビジョンを
創り出そうという姿勢です。
その翌週、私はあるクライアント企業で
「システム思考」や「学習する組織」の
コンセプトをベースにした3日間の合宿を
ファシリテーションしていました。
ファシリテーションの傍ら、A社に今後
どう関わっていくかを考えることが
多くなっていたので、その中で扱っていた
共有ビジョンのコンセプトや
ピーター・センゲの「学習する組織」の
理論はあらためて自分がどんな状態であるか
を見つめ直すきっかけとなりました。
「学習する組織」の一節には
「ビジョンに対する姿勢の七段階」が
明記されています
ビジョンに対する姿勢の七段階
コミットメント:それを心から望む。
あくまでもそれを実現しようとする。
必要ならば、どんな「法」(構造)をも編み出す。参画:それを心から望む。
「法の精神」内でできることならばなんでもする。心からの追従:ビジョンのメリットを理解している。
期待されていることは全てするし、
それ以上のこともする。
「法の文言」に従う。良き兵士。形だけの追従:全体としては、ビジョンの
メリットを理解している。
期待されていることはするが、それ以上
のことはしない。「そこそこ良き兵士」嫌々ながらの追従:ビジョンのメリットを
理解していない。だが、職を失いたくもない。
義務だからという理由で期待されている
ことは一通りこなすものの、
乗り気でないことを周囲に示す。不追従:ビジョンのメリットを理解せず、
期待されていることをするつもりもない。無関心:ビジョンに賛成でも反対でもない。
ピーター・M・センゲ著
興味なし。エネルギーもなし。「もう帰っていい?」
[訳 枝廣淳子 小田理一郎 中小路佳代子]
学習する組織 英治出版 2011 p.299
これを読んで、私自身「形だけの追従」
もしくは「嫌々ながらの追従」の段階に
いるのだ、と改めて自覚しました。
自覚が生まれると、そこからどうしたいか
考えること、それにより行動を変える
ことのきっかけになるものです。
あなたの組織のメンバーは、ビジョンに
コミットしていますか? それとも
追従しているだけなのでしょうか?
ビジョンやパーパスについて
組織で語り合う場面を作りたい時、
ぜひ、ウエイクアップ組織変容チームに
ご相談ください。