ウエイクアップの上田晶子(あっちゃん)です。
CTIのコーチングコースのリードを担当しています。
コーアクティブ・コーチングの
実践の旅路は一日にしてならず。
最近も、そんなことを痛感する出来事がありました。
先日1歳の次男のこども園のお迎えに行った際に
目にした光景があります。
お部屋で次男がボールで遊んでいたら、
お友達が寄って来て、ボールに手を伸ばし、
ぐっと自分に引き寄せました。
次男は、一人でもっとボールで遊んで
いたかったのでしょう、とっさにばん!と手が出て、
その手がお友達のお顔に当たってしまい、
お友達がえーん!!と泣き出しました。
その様子に気づいた保育士さんが、
泣き出したお友達を抱き寄せて、
よしよしとしてくれていました。
子どもたちの日常によくある光景を窓越しに見ながら
おにーちゃんともよくやりあってるから、
お友達にもつい手が出るんだなあ、やれやれ、
お友達が怪我をしていないといいけど、
と思っていたら、私に気づいた次男が、
「ままーー!!」と駆け寄ってきました。
一部始終を見ていた私は、彼に聞きました。
「けんけん(次男のニックネーム)はもっとボールで
遊んでたかったんだよね。だから○○ちゃんに、
おててでばーん、ってしちゃったんだよね。」
「それで、○○ちゃんは、
いたいいたいになって泣いちゃったね。」
「このままお家に帰るか、仲直りの
大好きぎゅーしてから帰るか、どうする?」
じっと私の言葉を聞いていた彼は、踵を返して、
トコトコとお友達のところに向かっていき、
お友達に向かって、笑顔で両手を伸ばしました。
その瞬間に、その動きに気づいた保育士さんが、
お友達をぎゅっと引き寄せて抱きしめ背を向けました。
またケンカになってしまう、と
とっさに思っての判断だったのだと思います。
次男は一瞬キョトンとし、
しばしその場に立ち尽くし、その後、
トボトボと私のところに戻ってきました。
私はその光景を見ていて、ずきん、と胸が痛みました。
私が感じたこの痛みはなんだったんだろう?
そのことを数日考えていて、
そこには2つの要素があるのだとわかりました。
一つは、
「次男の優しさが十分に表現され、
受け取られなかった」ことへの痛み。
母として、そのことに心が痛んだのだなと。
もう一つは、「私も同じことを、
子どもたちとの日常の中でやっている」
ということにまざまざと気づいたことの痛みです。
長男が食事中に席を立とうとしたとき、
「ちゃんとごちそうさまするまで立っちゃだめだよ、
お行儀悪いよ!!」と言った後に、
「ケンケンがスプーン落としたから、
取ってあげようと思ったのに……」と言われたこと。
一旦布団に入ったのに、リビングに戻ろうとした長男に
「もう寝る時間だよ! 遊ぶのはおしまいだよ!!」
と言った後に、「ママがげほげほ咳をしてるから、
お水持ってきてあげようと思って……」と言われたこと。
人は、日常の中で、相手自身や相手の行為について、
無意識に、何かしらの視点(捉え方、ものの見方)を
持ちながら見ていることが多くあります。
例えば、こんな具合です。
▶子ども同士のケンカ=良くないことだ、リスクがある
▶夜の子どもの言動=厄介なもの、眠りを妨げるもの
▶部下の失敗=仕事におけるリスク、回避すべきもの、
仕事ができない証拠
何をどんな視点で見ているか。
視点は自分の感情に影響し、感情は行動に影響します。
▶子ども同士のケンカ=良くないことだ、リスクがある
→緊張感が走る
→回避するために仲裁する、子どもたちの
コミュニケーションを分断する
▶夜の子どもの言動=厄介なもの、眠りを妨げるもの
→イライラする
→否定する、怒鳴る
▶部下の失敗=回避すべきもの
→リスクを感じる、面倒臭い、イライラする、呆れる
→ジャッジする、指摘する、自分が部下に代わってやる
自分が無自覚に持っている視点に気づかずに、
そこから起こる感情のままに行動することは、
時に、自分自身も相手も不自由にすることがあります。
私たちは日常の中で、たくさんの無自覚の視点を
持っていて、その視点が、さまざまな影響を
自分にも相手にも与えています。
私自身、“世界を透明な目で見る”ということが、
いかに難しいかに日々気づかされます。
そのことに、より自覚的になる。そこには、
自分も相手もより自由にさせる可能性があります。
CTIジャパンが提供するコークティブ・コーチングの
トレーニングプログラムの中の「バランス・コース」の
学びは“無自覚に持っている視点に自覚的になる”
ところから始まります。
世界を透明な目で見る。
そして、そこから自分はどこに立ち、
世界をどう見るかを選択する。
そうすることで、自分も相手もより自由になる。
そんな実践的な意識の筋トレをしたい方は、
ぜひ学びにいらしてください。
追伸:
先日久々に、長きに渡りお付き合いさせてもらっている
ベビーシッターさんにお世話になりました。
引き継ぎ時に、シッターさんの
「○○君が、私に早く会いたくて、夜、ワクワクして
眠れなかったんだよー、って言ってくれたんです♪」
という言葉を聞いて、
いやいや君、昨晩は布団に入るなりぐーぐー
寝てたやろー! と突っ込みそうになった私が
最近彼に持っている視点は
「長男=5歳にして女たらし」です。