管理職は涙を流してはならない!?

こんにちは!
ウエイクアップのたえこと、西井多栄子です。

たま~にこのWUリーダーズマガジンを
担当させていただいていますが、今日は、
個人的にリーダーシップの参考にさせて
もらっている某劇団のリーダーについて
ご紹介したいと思います。

その劇団は、兵庫県に本拠地をおく
「宝塚歌劇団」です。
ご存じの方も多いかもしれませんが、
100年を超える歴史を持ち、
阪急電鉄の一部門でありながら、
阪急阪神東宝グループとして日本の
エンターティメント界を支える
女性だけの劇団です。

団員は、歌劇団付属の学校を卒業して入団し、
花・月・雪・星・宙(そら)の5組の
各組に配属され、各組がそれぞれ
年間を通じて公演を行っています。

そこにいるリーダーと言うと、
各組で主演を務めるトップスターさん
(3時間もの舞台を歌って踊りきった最後に
豪華な羽を背負い大階段を涼やかに降りてくる方です)
をイメージされるかもしれませんが、
今日私がご紹介したいのは、各組に存在する
「組長さん」と呼ばれる存在です。

組長という言葉を聴くと、まるで
任侠映画の世界みたいですが、
その名の通り組の長という意味で、
各組およそ80人ほどの団員が在籍している
組のリーダーです。
いわゆる管理職ってやつですね。

そのお仕事は、初日や千秋楽の舞台挨拶から
公演全般の連絡・確認、
はたまた在籍している団員さんの
生活面での相談や指導など多岐にわたり、
自ら歌って踊ってお芝居されるだけではなく、
団員をまとめる力や尊敬される人柄
などで選ばれる印象があります。

大勢の個性溢れる団員を統率する管理職というと、
プレイングマネージャーとして忙殺されて
しまいそうなポジションでもありますが、
そこは組長と呼ばれる存在、只者じゃないんです!

とある公演を観させていただいたときのことですが、
組長さんの舞台挨拶がありました。
その公演で退団される方を
組長さんがご紹介されたのですが、
心温まるメッセージだけでなく、
最後に自ら涙を流し
「もっと○○を見ていたかった」
と発言されたのです。
(組長さんの思いの丈をこめた言葉に、
その瞬間、劇場中が嗚咽しておりました。)

組織の管理職としては、自分の心の内を
大勢に明かすことや人前で涙を流すことは、
ややもすれば、「感情的すぎる!」と
あってはならないことかもしれません。
しかし、その震える言葉や涙は
人の心を打ち、舞台上のみならず、
劇場中を一つにした瞬間がありました。

管理職の方々をコーチングさせてもらっていると、
「部下の本音がわからない」
といったお悩みを聴くことが多いです。
部下からすれば、
「上司は本当はどう思っているのだろうか」
「信じていいんだろうか」
と思っているのかもしれません。

人は「知らない」ことに不安を覚えるもの。
お互いに心の内を探り合ううちに、
感情や涙といったものを見せなくなる傾向が
あるように思えます。
リーダーがチームを率いているときに、
自分のことをチームメンバーに開示することに
難しさを感じたら、相手も同じように
感じているのかも
しれません。

ありのままに語るときに、
ついつい溢れてしまう感情や涙は美しいもの。
人はその姿にたくさんの元気と勇気を
もらえるのではないでしょうか?

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