進化と実験

ウエイクアップの山田希です。

「ワンダフル・ライフ
 バージェス頁岩と生物進化の物語」
という本があります。
生物学者スティーブン・ジェイ・グールドが書いた進化生物学の名著で、
カンブリア爆発と呼ばれる時期の生物の
化石発見の興奮をそのままに書いたストーリーです。

その後の研究で書かれたこととは違う事実などが判明したりし、
今では毀誉褒貶ある著作として知られています。
しかし私は高校生の時にこの本に出会い、
奇妙奇天烈な生物たちのデザインの多様性と、
「進化」というものの面白さに魅入られました。

それまで私は、進化の系統樹は
単細胞生物から多細胞生物へと複雑な進化を遂げていき、
そのトップに人間がいる、
という図として理解していました。

ですがこの本によって、進化とは自然が
多様なデザインを試しているものであり、
かつ適者生存として語られる事象も、
たまたまその時起きた変化に対して生き残った種が
適者と言われただけで、そこには容赦のない
「偶然性」が存在していることを学びました。

地球に起きた様々な気候変動に対し、
生き残った生物たちがそれを予測していた、
ということはなかったでしょう。

技術進化のおかげである程度の予知能力を
持つようになった人間でさえ、
気候変動をなかなか予期できていません。
今年も思いのほかに短かった梅雨が明けたかと思えば
いきなり猛暑日が続き、そして台風が来る
など、何より身体がついていくのが大変です。

しかし予期しようもないからといって
何もしないというわけにもいきません。
カンブリア爆発のような多種多様な実験があったからこそ、
今残っている種たちも
現代に生き延びているわけですから。

ということで当社でも役員3名体制になった今、
2030年に向けてのビジョンの下固めをすべく、
話し合いを始めています。

一人から三人になったことで、
これまでだったら一人がシンプルに決定して
進められたことが、三人になると
相談や調整が発生したりと
時間がかかることもあります。

一方で三人になったからこそ、お互いの視点や意見を持ち寄り、
言語化しながら対話をすることで、
これまで表現できなかったことが表現できる
という予感があります。

そして今回は、
気持ちや感情を丁寧に聞き取る私たちだからこそ、
敢えてそこをぐっと抑え、

客観性、データ、エビデンスなどを中心に
議論を積み上げていくことにチャレンジしています。

普通の会社ならごくごく当たり前のこと
かもしれませんが、私たちにとっては
利き腕を封じているようなもので、これも
一つの進化に向けた実験かなと思っています。

果たして我々が適者となれるかどうかは
神のみぞ知るというところでしょうが、
夏休みの宿題ということで、
大いにデザインを楽しみたいと思います。

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