視点を動かす、視点を増やす

こんにちは。
ウエイクアップ・伴想人プロジェクトの
おはる(尾関春子)です。

新型コロナ禍の下、ウェブ会議システムの
普及が加速し二年が経ちます。
ウェブ上でしか会ったことのない人が大勢いる
読者も多いことでしょう。

リモートで知り合った人と初めてリアルで会ったときに、
それまでと違う印象を受けた経験はありませんか?

伴想人プロジェクトの定例会議もこの二年間
ずっとリモートで行われていますが、
飲み会をこよなく愛する伴想人たちは早くから
「新型コロナ感染拡大が落ち着き次第リアルで集まる」
を課題に掲げついに昨年12月、伴想人全員集合の
定例会議と忘年会を挙行しました。

初の伴想人リアル定例会当日、会場に入ると早速、
やぁ久しぶり! やっとリアルで会えたね!
とメンバー同士、挨拶の嵐。

ふと横をみると、車座に配置された座席に
見慣れぬ風貌のひとが…。
はて、誰だろう? 私は慌てて定例会Zoomの
ギャラリービュー画面を脳内再生し、
会場にいる面々の顔と急いで突合しました。

消去法でその日初めてリアルで会う1名に
絞ることができましたが、何かが違う。
いつものZoom画面上の映像がいま肉眼で捉えている像と
どうも一致しないのです。
やや焦りながら車座に移動し、そのメンバーの向いの
椅子に座りようやく脳内の画像が一致したのでした。

リモート会議とはいえ定期的に会っている仲間を
認識するのに思いのほか時間を要した自分に驚き、
少し考えました。

原因はおそらく単純で、
定例会議で見慣れているのは
肩から上をほぼ真正面から捉えた
固定カメラの映像のみ。
一方、リアル定例会当日の私の眼は当初、
車座の外でやや離れた斜め上からという、
ウェブ会議ではまずない位置から見ていたのでした。

芋づる式にいろいろ思い出しました。

10年以上前に大阪は「なんば花月」で
漫才を初めてナマで見たときのこと。
“いくよくるよ”の故いくよちゃんが
スタンドマイクの前で威勢よく喋る後ろで、
くるよちゃんがひ~らひ~らと舞台狭しと
飛び回っていたのです。
テレビ番組ではいくよちゃんのアップのかげで
映らなかったであろうくるよちゃんの
ダイナミックな動きに驚きました。

スポーツ観戦も然り。
選手の表情や細かい動き、スロー再生などは
超望遠カメラや特殊撮影技術があってこそ楽しめる一方、
球場のマウンドで投手が構える間の野手たちの
前後左右素早い動きは球場ならではの景色です。

画面を通し私たちが視るのは対象の
わずかな一面にすぎず、そこに映らない
無限の情報や世界が広がっていることに思いを馳せる。
このことから多くを敷延できそうです。

例えば、
画面に映るのは、映像の送り手が視ている景色である。
クライアント/メンティーのレンズを通し
その視界を経験、共有することの意義は、
傾聴に通ずるように思えます。

自分に見えている物事、人物像、さらには自分自身も、
その一面に過ぎないことを意識することは、
謙虚であることに通ずるように思えます。

画面、視界の外にあるものに目を注ぐ。
視点を変える、視点を増やす。
接眼と鳥瞰。

クライアント/メンティーにそれらを示唆し
ときにいざなうのも、コーチ/メンターの
役割のひとつですね。

漫才や野球の話に戻りますが、
「自由視点映像」技術の開発が進んでいるそうです。
いずれは居ながらにして、スポーツ中継や
音楽ライブなどをリアルタイムで
視聴者が好きな視点を選び視られる日が来るとか。
興味は尽きませんが、紙幅も尽きましたのでこの辺で。

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