組織に起きる無意識の「承認格差」

こんにちは。
ウエイクアップ組織変容コーチの番野智行です。

「承認欲求」という言葉を聞いて
皆さんはどう感じますか?

先日、支援しているある組織でその話題になりました。

この言葉は、良い文脈で使われることは
少ないように思います。
例えば、「Aさんは承認欲求が強い」
といった言い回しです。

本人の精神的未熟さを暗に指摘していることが大半です。

「承認欲求が強い」と見られている人は、
チーム組成や採用の場面で無意識のうちに
不利な扱いを受けることもあります。

確かに、個人の特性にも原因はあります。
自分で自分を承認することが苦手な人や、
満足する基準が高い人は承認欲求が強いとも
言われています。

しかし、それだけでしょうか?

疑問を持った私はメンバー一人ひとりに
お話を聞いてみました。
すると、個人の特性だけでなく、
組織構造の影響が強いことがわかりました。

ポジションによる「承認格差」とも言えるものです。
具体的には…

A)その組織で承認欲求が弱いとされている多くの人は…

  • 顧客や事業パートナーに直接接する立場の人
  • 役職上位者で組織を対外的に代表することが多い人
  • 組織の中で重要で分かりやすい役割を担っている人

B)その組織で承認欲求が強いとされている多くの人は…

  • 裏方の仕事が中心になっていた人
  • 組織の一員として自分の名前で仕事をする機会に恵まれない人
  • 組織の中で重要でも分かりにくい役割を担っている人

という傾向が見えたのです。

これは、Aグループの人たちは、日々の仕事の中で
顧客やステークホルダー、チームメンバーから
承認を受ける機会が多く、
自然に承認欲求が満たされていたのに対し、
Bグループの人達は、普段の仕事だけでは
他者からの承認とは遠いところにいたことを意味します。

承認欲求の差ではなくて、承認を受けている
量の差が問題だったわけです。

AグループとBグループで分かりあえない溝が生まれ、
Bグループの人のモチベーションの低下につながる
ケースも見られました。

無意識の格差、恐るべしです。

さて、どう対処したか。
問題の正体が見えたら、対策は簡単です。

メンバー同士で、定期的にお互いの貢献を承認する
習慣と文化づくりに着手してもらいました。

結果、
Bグループの人たちの、承認欲求は満たされました。
さらに、自分で自分の強みや貢献を承認する力も
育まれていきました。

こうした取り組みを一過性のものではなく、
習慣や文化として根付かせることを
最後にご提案しました。

この事例のように、
「組織の問題」が「人の問題」として
定義されてしまうことで、問題解決が難しく
なっているケースは本当によく見かけます。

「あの人はわかってくれない」とか
「あの人は協力的じゃない」とか。

私たち組織変容チームでは、人と組織の
両方に精通したコーチが多数在籍しており、
このように「そもそも何が問題なのか」の
見極めからお手伝いさせていただくことができます。

ご関心のある方はぜひご相談ください!

追伸:
手前味噌ですが、ウエイクアップは、承認の習慣と文化が
しっかり育まれている組織だと私は感じています。

良い出来事が起きたら、バックオフィスのメンバー含めた
全員と分かち合いますし、難しい問題や
意見の対立があっても、お互いの承認は忘れない。

さすがプロだと思うことが多々。
医者の不養生じゃなくて良かったです(笑)

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