こんにちは。
ウエイクアップの組織変容®コーチの
小西勝巳です。
年末年始の休み中に読んだ本の中に、
野中郁次郎先生と川田英樹・川田弓子
ご夫妻の共著『野性の経営 極限の
リーダーシップが未来を変える』
(KADOKAWA)があります。
野中先生の理論編と、タイ山岳地帯の
荒廃した地区を再生したリーダーの
物語編という構成で、とても読みやすく
面白い本なので、ぜひ一読されることを
お勧めします。
野中先生のご著書ということで、
中核には「SECI(セキ)モデル」
があるのですが、SECIモデルを実践
していく際に、弊社が提供している
組織変容のサービス(コーアクティブ・
コーチング®やシステムコーチング®
などを組み合わせたプログラム)が
お役に立てるなぁと改めて感じたので、
今回はその点について書いてみたいと
思います。
1)野性の経営
この本のタイトルの元ネタと思われる
レヴィ=ストロースの『野生の思考』
(1962年)にも通じる鋭い批判的精神で、
野中先生は客観的分析に重きを置きすぎた
企業経営に警鐘を鳴らします。
「日本企業は人間一人ひとりの主観や
直観といった暗黙知を捨象し、客観的
分析モデルをつくることが企業経営だ
という潮流に傾いた結果、
オーバープランニング(過剰計画)、
オーバーアナリシス(過剰分析)、
オーバーコンプライアンス(過剰規制)
という『三大成人病』に陥った」と
指摘しています。
そして行き過ぎた株主資本主義の見直しや
人的資本経営が問われている今こそ、
「人間が本来もっている主体的創造性を
活かす経営」として「野性の経営」の
実践を説いています。
そしてこの「野性の経営」を駆動する
エンジンとしてSECIモデルを据えているのです。
2)SECIモデルと組織変容
SECIモデルは以下4つのフェーズから
構成されていて、これをぐるぐると回し
スパイラルアップしていくことが
ポイントとされています。
①「共同化」
異なる主観をもつ人と人とが共感によって
重なり合い、「我々の主観」を醸成する
フェーズ
②「表出化」
真剣で率直な対話を通じて「我々の主観」
の暗黙知を言語化し、概念を創るフェーズ
③「連結化」
生まれた概念と他の様々な知を自在に
繋ぎ、組み合わせて編集し、モデル化・
物語化・戦略化するフェーズ
④「内面化」
集合知となったモデルや戦略を、
状況に応じて試行錯誤しながら繰り返し
実践して身体化し、暗黙知をさらに
豊かにしていくフェーズ
この4つのフェーズと、ウエイクアップの
組織変容のサービスは非常に親和性があります。
「個々人の主観」の言語化・明確化を
支援するコーアクティブ・コーチング、
それをチームや組織で率直に出し合い、
対話して「我々の主観」を創発していく
システムコーチング、さらにそこから
生まれたモデル・物語・戦略を実践
していく「行動と学習」のサイクル。
それぞれのフェーズでお役に立てると
強く感じます。
例えば、
- 新しいビジョンや戦略によって組織を活性化したい役員や幹部のチーム
- 組織改編で様々な部門から人選され新しく設立された組織
- 新規事業開発を推進しているプロジェクトチーム
- 低下気味のエンゲージメントを改善したい組織
- 停滞気味の現場の組織風土を変えたい有志チーム
・・・色々なチーム/組織でこのSECI
モデルに基づく「野性の経営」の
ご支援ができそうです。
(実際、本書の物語編では、弊社の
組織変容セッションの一場面のような
ストーリーが描かれていました)
組織変容についてもっと具体的に話を
聴いてみたい、自組織の課題や悩みを
まず聴いてほしい、そして一緒に考えて
欲しいという方、さらに
『野性の経営』や『野生の思考』について
語りたい!という方は、お気軽に
弊社までお問い合わせください。
※組織変容®は(株)ウエイクアップの登録商標です。
※コーアクティブ・コーチング®は(株)ウエイクアップCTIジャパンの登録商標です。
※システムコーチング®はCRR Global Japan(同)の登録商標です。