100年前は人は機械の一部だった・・・?

ウエイクアップ組織変容コーチ川添香です。

ゆっくり過ごしたお正月に目に飛び込んだのは、
「『心の資本』は十分ですか」の文字。
日経新聞の一面の特集でした。
その脇の少し小さな見出しは、
「さらばテイラーシステム」とあります。

わー、テイラーシステム!
その昔、はるか二十数年前、資格取得のための学びで
目にしたテイラーシステムです。
確かホーソン実験とかも一緒に覚えたぞ…
と懐かしくなりました。

少々マネジメントの歴史など紐解きたく
なりましたので、どうぞお付き合いください。

テイラーシステムとは、1900年初頭に
アメリカ経営学者フレデリック・テイラーが提唱した
科学的管理法のことです。

当時のアメリカは産業革命が起こった後で
大量生産が可能になり、急速に移民労働者が
増えていました。
それまでのマネジメントはオーナー・マネジャー
と言われ、絶対的な権限を持っていた
フォアマン(親方)と言われる熟練工が経営者から
内部請負のような形で任されたのだそうです。
親方のカンと胸先三寸でなんでも決められていた、
ということですね。

ところが大量生産は製品の単価を下げ、
労働者側は働けば働くほど賃金の実入りが減る
という事態になってしまいました。

低コストを実現したい経営者と
高賃金を要求したい労働者。
これは労使の対立を生みました。

そこで登場したのがテイラー。
現場の実証データをもとに高能率を生み出す
「科学的管理法」を編み出しました。

一方、ホーソン実験とは、テイラーの時代より少し後、
1920年代後半にハーバード大のメーヨー教授が
シカゴにあったウエスタン・エレクトリック社の
ホーソン工場で行った、人間の労働意欲は
何によって刺激されるのかについての実験です。

実はテイラーシステムには、大きな
負の部分も存在しました。
労働者が「歯車」のように扱われる。
ホワイトカラーとブルーカラーの二極化を生む、
といったことです。
テイラーシステムの代表はフォード社ですが、
この理由により、離職率が急激に上昇し
経営を悩ませたようです。

チャップリンのモダンタイムスは
この時代の痛烈な風刺ですね。

ホーソン実験で分かったことは、心理的な影響が
仕事へのモチベーションにつながり
生産性向上に影響を与えていること、
賃金制度や就業時間による影響というより、
人間関係や個人的な経歴など、主観的な感情が
労働意欲や満足度につながっていることなどです。

今では当たり前になっていて、逆に
へぇーと言ってしまいそうです。

それから100年。

人間らしく仕事をしたいとか、仕事を通して
自己の成長を図りたいなどは過去も今も未来も
変わらない人間の欲求だと思います。

今その欲求はどのくらい実現されているのでしょうか。
現代にチャップリンがよみがえったら、
どんな風に描くのだろうと考えてしまいます。

私たちウエイクアップ組織変容チームは、
組織インタビューを行い、組織で起こっていることを
見える化することから組織変容プログラムを
スタートさせています。
人間関係、成長意欲、構造上の特長など
様々な観点から、地図を描くように
全体を見渡せるよう描くことを試み、
職場全体が底上げされるレバレッジポイントは
どこにあるのかを探します。
おかげさまでコーチの聴き方は深いところまで
届いてくれると評価をいただいています。

幸福な職場の実現に、コーチングなど
100年前にはなかった観点や理論やスキルで
ポイントを見極め、取り組むことが
できるようになっています。

ウエイクアップでもご縁の深い前野隆司先生の幸福学では、
社員の幸福度が企業の売上高に影響する
と調査結果が出ているそうです。

「人の気持ちに焦点」を軸にしたコーアクティブの
智慧とスキルは「心の資本」の拡充の時代に
欠かせないものだと確信を持った新年の朝でした。

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