伴想人の“ちゃっぷまん”こと佐伯崇司です。
エグゼクティブを目指す人たちに自分の経験が
役立てばと思って伴想人に参加しています。
【答えは鏡が持っている?】
「鏡よ、鏡、鏡さん。この世で一番美しいのは、だ~れ?」
これは白雪姫の意地悪な継母(実母説もある)の王妃が、
「魔法の鏡」に向かって毎日する問い掛けです。
「魔法の鏡」の答えは、いつも同じ。
「この世で一番美しいのは、王妃様、あなたです」
ところが白雪姫が七歳になったある日、
「魔法の鏡」は突然、こう答えます。
「この世で一番美しいのは、白雪姫です」
王妃は怒り狂って白雪姫を殺してしまおうと
あれやこれや画策します(そして最後があの毒林檎)。
鏡といえばひみつのアッコちゃんですが、
この王妃ならずとも、古今東西、女性は(男性も)
鏡に向かって色々問い掛けしていませんか?
鏡は何も答えません。だって魔法の鏡ではないから。
答えないことが分っているのに、鏡に問い掛けるのは
なぜ?
本当に鏡に問い掛けているのですか?
鏡に映った自分に問い掛けているのではないのですか?
答えているのは鏡ではなくて、
鏡に映っているあなた自身ではないのですか?
そうです、答えはあなた自身が既に持っている。
「クライアントの鏡であること」
これは私がコーチとして意識していることです。
自分の直感のままをクライアントにぶつけます。
クライアントの「今、この時」をありのまま映し出す鏡。
鏡は何も答えません。ただただ、
ありのままをありのままに映し出すだけです。
ありのままをありのままに突き付けられることは、
一番容赦のない、残酷な仕打ちなのかもしれません。
王妃の「魔法の鏡」は本当に答えていたのでしょうか?
答えは既に王妃が持っていた。
持ってはいたが、ずっと目を逸らしていた。
気付かないふりをしていた。認めたくなかった。
自分を騙していた。でもある日、とうとう……。
王妃の鏡は魔法の鏡ではなくて普通の鏡だったと、
私は思うのです。
鏡は魔性のもの、なのだけれども。
おまけ【石になったサンタクロース】
子供たちはどの子も、クリスマス・イヴの夜に、
プレゼントをそっと枕元に置いていくサンタクロースに
会いたくて会いたくて、仕方がありませんよね。
かおるちゃんもそんな子供の一人でした。
かおるちゃんは、大好きなサンタさんにどうしても会いたいので、
毎年眠いのを一所懸命我慢して、
寝たふりをしてサンタさんを待っていたのですが、
いつも知らない間に寝てしまい、
朝になってから枕元にプレゼントを見つけるのでした。
かおるちゃんが小学生になって、
本当に夜ふかしができそうになって来たので、
かおるちゃんのパパとママは困ってしまいました。
だって、サンタクロースは
絶対に姿を見られてはいけないのです。
そこでパパとママはかおるちゃんに、
「サンタさんはね、子供に姿を見られちゃうと、
魔法がかかって石になっちゃうの。
だから子供がぐっすり寝てしまうまで、
お部屋に入って来られないの。
それとも、かおるちゃんはサンタさんが
石になってもいいの?」
と話してみました。
かおるちゃんは、
「えっ、サンタさん、石になっちゃうの? うそ! やだ!」
と言いましたが、それでもサンタさんに会うのを
あきらめていない様子だったので、
パパとママは本当に困ってしまいました。
クリスマスが近づいてきた、とある日曜日、
パパとママはポインセチアを買いに
デパートの屋上のガーデニングコーナーに行くと、
コンクリート製の白雪姫や七人の小人さんがいて、
それにトナカイさんやソリもあり、その横に……。
パパとママは思わず顔を見合わせてしまいました。
そして待ちに待ったクリスマス・イヴの深夜。
かおるちゃんがぐっすり眠っているのを確かめて、
パパとママは二人でかおるちゃんの部屋にそっと、
でも、よっこらしょっと入っていきました。
明けてクリスマスの朝、
「ギャ~、サンタさんが石になっちゃった~。
かおるが見たから石になっちゃった~。
サンタさん、ごめんなさ~い。ワ~ン!」
と泣き叫ぶかおるちゃんの声が響き渡りました。
石になったサンタクロースは、
かおるちゃんの部屋に、今もずっと居候しています。
これは本当にあったお話です。
メリークリスマス!