後ろに立つな

ウエイクアップの山田希です。

故さいとう・たかをさんの「ゴルゴ13」は
言わずと知れたロングランの劇画です。
父が好きだったせいもあり、家にはいつも
コミックが置いてありました。
大人になって実家を離れてからも
帰省する度に読んでいました。

超A級スナイパーのゴルゴ13ことデューク・東郷は
後ろに人が立つことを極度に嫌がり、
それと知らずに立ってしまった人は反射的に
攻撃されてしまうのですが、
人事の仕事をするようになって、わたしも
後ろを気にするようになりました。

誰かがそっと後ろに立ったからといって
私はさすがに攻撃はしませんが、
画面で見ているものによっては慌てて
隠さなければならないものもあります。

オフィス内では隅っこの席に陣取り、
離席するときは画面をオフにするなど、
社内でも気を遣わなければならない場面が
増えたものです。

在宅勤務が始まり、
自宅の個室で仕事をするようになると、
そういった「画面上の情報漏洩」への心配は
やや減りました。
代わってオンラインの時代になると、
自分ではなく「相手の後ろ」に誰が居るのかが
気になるようになりました。
たとえばバーチャル背景です。

バーチャル背景が出てきたときは喝采したものです。
自室がちょっとくらい散らかっていても、
洗濯ものが干してあっても、
クリック一つで隠せるのですから。

ところがバーチャル背景だと、後ろに誰かが
立っていたとしても見えないことがあります。
ミーティングなどで相手の方が話しているとき、
音から周りに誰かいるのかな?と
思うことがあっても、バーチャル背景を使っていると
人が居るのかどうか分かりません。

リアルの世界では、
自分の身体で周囲360度の気配を察知し、
それに合わせて行動を変えます。
一方でオンラインの世界だと
視覚と聴覚にかなり頼りつつ、それでも
知覚できないことがあります。

画面の向こうの、さらにその奥に何があるのか。
オンライン環境での信頼性をどう確保するか、
新たな技術やマナーがここから生まれて
くるのではないかな、と思っています。

ところでゴルゴ13だったらそもそも
Zoomなどオンラインでのミーティングを
受けてくれるのでしょうか。
想像ですが、きっとまだ対面でしか
会ってくれないんだろうな、と思っています。

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