緊急度が低い重要な仕事

こんにちは。
ウエイクアップ組織変容コーチの中村菜津子です。

今年もあと1月半となりました。
まだ少し早い気もしますが、1年を振り返ると、
私は今年もいろいろな組織の皆さまのお声を
聞かせていただくことができて
とても充実した1年だったと思います。

伺うお話から新型コロナウィルスの影響による
共通の課題があることも感じました。
本日はそのうちの一つをお伝えしようと思います。

仕事の優先順位を決める方法に、
「時間管理のマトリックス」があります。

タテ軸とヨコ軸にそれぞれ「緊急度」と
「重要度」を取り
(A)緊急度が高く重要度も高いすぐにしなければならない仕事
(B)緊急度は低いが重要度は高く将来を左右しかねない仕事
(C)緊急度が高いがそれほど重要ではない仕事
(D)緊急度も重要度も低い仕事、
という4つのタスクに分類する方法です。
使われている方も多いのではないでしょうか。

(B)の緊急度は低いが重要な仕事が
ほとんど手つかずになっている、あるいは、
うまく対応できていない影響が出始めている
というお話は以前からあるのですが、
今年は特に多いと感じました。

早期退職者の募集や新入社員数の減少により、
退職者が出ても人が補充されず一人当たりの
仕事量が増えてしまう。
リモート出社の日は出来ることに限界があり
出勤日の業務が激増する。
また、自宅待機や残業禁止で時間が足りず
目前の締め切りに追われ続ける。

こういった状況から(A)の緊急で重要な仕事で手一杯となり
(B)の仕事に時間をかけれない結果、
それがある時(A)の仕事に変化してしまうのです。

これは単なる忙しさのスパイラルということに
とどまらず、メンバーの精神的不調や
エンゲージメントの低下にもつながっています。

1つの例をご紹介すると、生産が下がり
現場は時間を持て余しているのに、
管理職が大忙しという製造業の職場がありました。

「現場は時間を持て余している」という課題は
(B)のそれほど緊急ではないが重要な課題です。

忙しい管理職の皆さんは現場に相談することなく
「工場内清掃をしよう」と決定してしまいました。
ところが後になって
「時間があるなら、繁忙期にみんなが柔軟に動けるように
他の機械操作を勉強する時間に充てたかった」
という不満の声が多く寄せられました。

じつはこれは以前からあった組織の課題でもありました。
いくら現場が日頃感じている不安や課題の提案をしても、
結局何も変わらないのかという諦めが広がりました。

また、清掃を一方的に押し付けられたと感じてしまい、
その重要性に向き合う気持ちになれず、
なるべく自分たちに火の粉が降りかからないように
防御する行動や態度が増えてしまったそうです。

もしかすると「余裕のある時間の使い方」
というテーマをうまく生かすことで、
組織の課題を自分ごととして考え、
緊急で重要な仕事を減らすことにつながる
チャンスだったのかもしれないと
組織変容コーチの私は思ってしまいます。

皆さまの組織にはこういうチャンスは
転がっていませんか?

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